V:tRデモクロニクルではどうもヴードゥーを避けては通れないようなので、ストーリーテリング資料としてきちんと本を読むことにした。カリブ海近辺はあまり関心がなかったので、ヴードゥー関連の本といえば昔『蛇と虹—ゾンビの謎に挑む』を読んだっきりで、これも真面目なヴードゥーの本ではあるが主題はゾンビのほうだからだ。
本書も学術書ではないのだが、ホラー映画などを通じて一般に流布している「ヴードゥー教」のイメージというものが、切り取られた一面だけを誇張する歪んだ虚像にすぎないということは充分に理解できる。信者が集まり、ロアと呼ばれる様々な精霊を祭りの場に招き、ドラムに合わせて激しく舞い踊る様は、けっして暗くもおぞましくもない。「ヴードゥーに興味のある外国人」という立場を崩さずに、むやみに賞賛するのでもなく、庶民臭さをあざ笑うのでもなく信仰生活の実態を伝える書き方に好感をもった。
V:tR用資料としては、カトリック教会との確執や迫害の歴史にあまり触れられていない点が物足りないのだが、入門書として良いかも。
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