骰子回転劇場・転|日記: [V:tR] 『Nomads』 ファースト・インプレッション
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骰子回転劇場 日記

[V:tR] 『Nomads』 ファースト・インプレッション

V:tRサプリメント第2弾『Nomads』が届いた。リアルタイム更新はじめます。

» Amazon.co.jpWhite Wolf Online

アマゾンの書籍紹介ページにはいまだに予約受付中とか間の抜けたことが書いてありますが、私はアマゾンで予約して今日届きました(発送予定日より1週間以上早かった)。とはいえWoD製品に関してはどうも出荷時期が安定しないようなので、信用ならない人はWhite Wolf Onlineから直接買ってみるとかゲームショップに取り寄せてもらう手でしょう。

【表紙の既視感】
くわえ煙草でごついバイクにまたがった、黒革ジャケットの兄ちゃん。シャツには血痕、片手には二連ショットガン、ベルトにはリボルバー。おお、渋い! Vampireのロゴがなければ別のゲームと勘違いしそうなワイルドな表紙(Brom画)である。

しかし待て、私はこれをV:tR発売前に見たことがあるぞ。

なにをかくそうこのイラスト、V:tRの発売日より1ヶ月以上前、まだWWが表紙を未公開にしていたさなかの7月3日、どこからともなく「これがV:tRの表紙らしい」とリークされて噂になった、いわくつきのしろものなのだ。

ちなみに『Coteries』と違って、バイク兄ちゃん部分は傷つきやすいつや消し加工なので、気になる人はとっととカバーをかけてしまおう。

【Prologue: Rock and a Hard Place】
吸血鬼となってなおロックバンドとして巡業を続ける男たちの公開手記らしきもの(14ページ)。ドラマーだけは人間(=他のメンバーのエサ)であるというくだりに笑いました。

レイアウトは一見の価値あり。

ライブハウスなんかに山積みしてある一色刷りの情報ペーパー風の体裁で(紙のしわやホチキス跡、折り目でインクがかすれた跡などやたらに細部がリアル)、最後のほうにいたっては本文を判読性の高いフォントにしようという努力すら放棄されて一種のアート作品になっている。

扉ページは『ロック、ストック&ツー・スモーキング・バレルズ』を彷彿とさせる。

【Introduction】
なんと2ページしかありません。能書きにはじまり能書きに終わるWWのサプリメントらしからぬ短さです。テーマは「自由と独立」、つまりNomads暮らしは好き勝手できるけど手前の尻は手前で拭けよ、と。ムードは周りは冷たい、誰も助けちゃくれねえっていう「絶望」だそうな。

例によって章の内訳もここに書いてあります。

【Chapter One: The Call of the Road】
p.24-26は、そもそも街のほうがずっと暮らしやすいはずのヴァンパイアがなぜ放浪生活を選ぶのか、一般的な動機の考察。「単なる無知」をはじめ、言われてみればなるほどとうなずく理由ばかり。

残りは各clanやcovenantの視点から、その構成員が放浪生活に入る原因、また放浪coterieに加わった場合、その出身を生かしてどのような役割で活躍できるかの考察。単に組織を捨てた無頼者ばかりでなく、組織内での役割上移動生活を送らざるをえない者たちについても言及されている。どれも例示が豊富なので、放浪ヴァンパイアのキャラクターを作成する際のアイデア集としても、また手持ちのキャラクターが街を追い出されてしまった場合に身の振り方を考える際にも役立つだろう。

【Chapter Two: Those Who Wander】
p.52-66「Nomads Archetype」は、放浪ヴァンパイアのタイプ別キャラクター作成指針。Chapter Oneがclanやcovenant別のアイデア集とすれば、この章はキャラクターコンセプト別のアイデア集。コンセプト別に動機、血族社会での立場、活躍できる分野、人物イメージ、特性値割り振りの指針など、キャラクターを作成する上で実践的な話題が多い。旧Clanbookのテンプレートに似た感じだが、具体的な数値を並べられるのと、このように具体的な方向性を示されるのと、どちらがイメージがつかみやすいかは意見が分かれるだろう。

Archetypeとして紹介されているのは、Courier(運び屋)、Degenerate(はみだし者)、Liutenant(官僚)、Hunter(ハンター)、Madmen(狂人)、Political Idealists(政治運動家)……など11種類。さらにPC向きではないが遭遇可能性の高い放浪ヴァンパイアのアーキタイプとして7種類。

p.66-67「Nomads and Traditions」は、ヴァンパイアの慣習法Traditionsの見地から見たNomadの立場。

p.67-68「Group Standards: Coteries and Cohorts」は、Nomad同士がCoteriesを組む動機についての考察。

p.69-70「Desert Island Itch」は、Nomad Coterieの構成員の間にはたらく心理。Desert Island Itchとは、coterieを組んで放浪していると、突然仲間がうっとうしくなり何もかもがしゃくにさわる心理状態をさす、Kindredのスラングだそうだ。

p.70-71「Along for the Ride」は放浪キャラクターのプレイヤー必読のパートだろう。ヴァンパイアが放浪生活をいとなむうえで必要な物資、機材など、たいへん現実的な面からみた情報が詰まっている。

ところで章末の余白の無意味な髑髏マークなんとかしてください。

【Chapter Three: Surviving in the Wild】
プレイヤー必読。放浪/移動生活を送るヴァンパイアのためのサバイバルガイド。そう言う意味で「Along for the Ride」の内容はむしろこの章に属するものかもしれない。非常に実践的な内容になっている。

p.74〜77は食糧の調達について。見出しを眺めただけでもぐっとくるハードな現実。
p.77〜78は寝処の確保篇。イメージわきます。
p.79〜83は移動手段篇。キャンプカー、バス、ボートまでありとあらゆる乗り物とNomadにとっての実用性が考察対象に。もちろん移動手段の「調達」の仕方についても親切に教えてくれる。ヒッチハイクにも言及が。

p.82「Price of Freedom: Political Repercussions」はp.66-67「Nomads and Traditions」とも関連する内容。つまり街に住むエライ連中との関係をいかに損ねずに放浪生活を営むか、というNomad心得。

p.86〜91は放浪生活を営むヴァンパイアにとってどのような土地が住みやすいかという考察。荒野、大都市、小さな町、大自然、砂漠、極地に分けて、それぞれ遭遇しうる脅威や、食糧・寝処確保の難易度などを解説する。

p.91〜92「Fear and Loathing: Madness on the Open Road」は、放浪生活がヴァンパイアのHumanityやderangementに及ぼす影響について。ヴァンパイアは寂しい生き物なのであまり孤独な生活が長くなると心を病んでしまうらしい。

p.92〜99「Rituals and Devotions」は、放浪/移動生活を送るヴァンパイア向けの追加魔術データ。Cruac ritual、Theban Sorcery ritual、Nomad由来のDevotion(V:tMのCombination Disciplineみたいなもの)が追加されている。おおむね無難な外見を偽装したり、危険を感知したり、寝処の安全を確保したりといったサバイバル向きの術が多い。

【Chapter Four: Notable Nomads】
まあお約束ですな。有名な(悪名高い)Nomad NPCのデータ、7人ぶんです。各人とも、Story Seedsというコラムがついていて、そのNPCをだしにしたシナリオアイデアを紹介している。武器や攻撃についてはダイスプールが計算済みなのがありがたい。バリエーションも多彩。

p.108のやつだけは夜中にひとりで見ないほうがいい。

【Appendix: Route 666】
1幕5場構成のショートシナリオ。ネタバレにならないような部分だけ言うと、Nomadsの設定を使い、シカゴに行くシナリオです。シカゴの公式NPCが登場するので、シカゴ・ソースブックが待ちきれない人はネタバレ覚悟で読むのがよろしかろう。

萌えどころとしては、放浪ヴァンパイアらしくWoDコアの車両ルールを駆使した緊迫感あるアクションシーンが。

これ以上知りたい人は誰かをつかまえてSTしてもらうか誰かをつかまえてSTしてください。

【結論】
やっぱり索引はなかった。

Vampire: The Masqueradeでサバトの放浪パックにあこがれたり、V:tRで街でぐだぐだ過ごすのに飽きたとかいう向きにはおすすめだ。具体的な追加データもCoteriesより多めとなっているし、なによりV:tR発売後初の公式シナリオが載っている。

posted at 10:43 pm in V:tR

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World of Darkness に関する海外ニュースを Professor がときに適当な翻訳でお届け。名前が日記なのは骰子回転劇場・転の日記コーナーだった名残。実質上WoD2.0対応の回転劇場なので改名検討中。