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こういうprop系の本は要約しづらいのでやめておこうとも思ったのだが、新WoDサプリメントの中で最強のファーストインプレッションを与えられてしまったので眺めた感想だけ。
【恐るべき表紙】
真紅。
銀箔押し。
ビロード張り。
表紙のOrdo Dracul紋章がまぶしい。裏表紙のバーコードまで銀箔である。恐れ入りもうした。
White Wolfサイトの画像ではかなりピンクっぽい色味に見えるのでがっかりした人もいると思うのだが、実物はV:tR表紙とほとんど変わらない真紅。色的にはクリスマスプレゼントに向いているのではなかろうか。お正月のお年玉としてもおめでたそうな色合いだ。もっともこんな本を貰って喜ぶ者もあまりいないだろう。
うっかり手荒に扱うとビロードが擦り切れたり銀箔が剥げたりしそうでおそろしい。稀覯書を扱う時みたいに手袋でもはめるべきだろうか。
こういう本にこそケースが必要だと思う。
【Prologue: Under Uncertain Stars】
Ordo Dracul創設の祖といわれるVlad Tepesによる手記まえがき。自分のchildに餌を狩らせる優雅な生活で、しかも力が強くなりすぎたからこれ書いたらTorporするとか言っているが……
I shall sleep but not rest.- p.7
【Book One: The Book of the Dead】
串刺し公ヴラドが戦場で倒れ、ヴァンパイアとして蘇った経緯。いろいろな意味で『ノド書/Book of Nod』を彷彿とさせるエピソードになっている。もっともBoN冒頭のカインの手記(とされているもの)が、Disciplineに目覚めた時点で終わっているのに対し、ヴラドの手記はその後の遍歴や直系の子についてもいろいろ書いてあって興味深い。
p.15の下から3行目と4行目の会話が子供の口げんかみたいで微笑。
【Book Two: The Book of the Blood】
ヴァンパイアとなったヴラド公が、Lancea SanctumやCircle of Crone時代を経て、遍歴の果てにCoilをあみだすまでの物語。かなり形而上学的な領域に踏みこんでいるが、ドラキュラの一人称でさまざまな人物と対話しながら進められるのでそんなに難解ではなさそうだ。
個人的趣味としてはいっそ『Chronicle of the Black Labyrinth』みたいな魔道書もどきになっていればよかったと思うが、そうすると難解すぎておちおちこんな感想など書いておれなくなるので、これはこれで。
【Book Three: The Book of the Temple】
まあ予想はつくと思うがOrdo Dracul設立までの物語である。これまでの章より対談形式の部分が増えている。とりあえず自分のchildeの中でMara、Lisette、Anoushkaという3人娘がお気に入りなようだ。
p.99あたりでやっぱりかというか、ついにというか、これメタプロットになったりしないのかなと非常に不安になるものが登場。
【買う?】
Book of Nodのような抹香臭さや、Chronicle of the Black Labyrinthのような魔道書的いかがわしさを期待してはいけない。追加ルール等はいっさい含まれないのでサプリメントに追加データ以外のものを求めない人にはおすすめしかねる。イラストはとりたててひどいものもないが、めだって光るものもない感じ。イラストレーターもあまり見たことがない人ばかりだ。ただ、Raven J. Mimura、という珍しく日系人風の名前が見受けられる?
これはあくまでOrdo Draculの創設者の手記風小説として読むべきだと思う。小説と思って読めば読みやすいしそれなりに面白い。ページ数も少ないしそんなに気取った言い回しもない。
もちろん、ドラクルがらみのNPC名がいくつか登場するので、そのあたりのくだりを演出のために引用したいと思うプレイヤーやストーリーテラーには資料としても役立つだろう。
あと、買っても積ん読にしがちな人はどうせならこれを買って本棚に置いておくとインテリアにいいのではなかろうか。
笑うところですよみなさん。
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