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【vampiretherequiem.com】White Wolf公式サイトにおいて、日本時間の10月22日午前6時から、WoDのディベロッパーにファンが質問し倒すという恒例のDeveloper Chatが行われた。今回の生贄、もとい、ゲストはV:tRの新ディベロッパーWill Hindmarch氏である。
今回はWillが初めて登場するということで成り行きが注目されたが、10月の同企画ですでにJustinが熱くV:tRを語りたおしたばかり、という時期柄もあって比較的質問はおとなしめだった。話題はおもに、Willのディベロップで出る最初のサプリメント『Bloodlines: The Hidden』へ集中したようだ。
ログを見ると、Willは「先のことはわからないけど」「君の言っていることはこういう意味だと仮定して話すけど」と前置きしてから意見を述べる慎重な姿勢が目だつ。また、古くからV:tMに関わってきたとはいえディベロッパーとしては新人という意識があるのか、JustinやEthan、Billといった先輩格に関しては非常に気をつかっている様子が感じられた。
例によって、以下におもしろそうな話題をまとめてみる。White Wolfスタッフがへんな冗談とか愚痴とかをとばしてるところも読みたい人は原文をどうぞ。
Q:『Vampire: The Requiem』基本ルールに登場したbloodlineが、今後bloodlineサプリメントでさらに詳しく解説される予定はありますか?
A:最初のbloodline本(Professor注:来年発売予定の『Bloodlines: The Hidden』のことだろう)には、V:tRで登場したbloodlineはひとつも載せてない。将来的に、それらのbloodlineが使えるような特殊能力(Discipline?)を発表することはあるとしても、既出のbloodline専用のものにはならないだろう。少なくともいまのところ、これ以上設定を細かくすることは考えていない。脚色や肉付けは君たちで楽しんでほしい。
Q:「最初のbloodline本」と仰いましたが、『Bloodlines: The Hidden』の第2弾、3弾が出る可能性があるのですか?
A:そのとおり。
Q:『Bloodlines: The Hidden』には、bloodlineを自作するための情報が載りますか?
A:いや。アイデアソースや、新しいDisciplineはたくさん詰めこんだけど、V:tR基本ルールを変えたり曲げたりするようなものはいっさい入れてない。でも、そういうツールボックス的な情報を増やせるように検討してみよう。いい意見をありがとう。
Q:Devortionについてはどうお考えですか? 自作ルール(修得に必要なexperience pointコスト、dice poolの目安など)は公開されますか?
A:『Vampire: The Requiem』のp.265に、Devortionを自作するためのガイドラインが載っているよ。まあ、もっと踏みこんだ情報があってもいいかも。Disciplineよりちょっと曖昧な部分が多いんで一概にシステム化はできないが……。
Q:Gangrelのclan weaknessは、初めV:tMと同じだったけど後で変更されたのですか?
A:そういう話は聞いていない。V:tRのGangrelのclan weaknessがV:tMと同じであるかのように解釈できる、という議論自体、僕はForumの投稿を読んで知ったぐらいでね。V:tRのclanは、まあおおむね、V:tMよりずっと包括的なものだ。容貌があきらかに自然にはありえない形に変わっていく、という設定は確かにすばらしくドラマチックだが、clan全体の特徴とするには特異すぎるように思える(Nosferatuは別として、な)。そういう「癖のある」血統を表現するためにbloodlineがあるんだ。
Q:ではcovenantについても「癖のある」思想集団はbloodlineと同様に扱われるのですか? たとえば今後のサプリメントに、既存covenantから派生したミニcovenantが登場する可能性はありますか?
A:それはこのゲームシリーズの趣旨(もっと代案を、もっと想像の余地を、もっと選択肢を)にもかなうことだが、実現するとしてもcovenantサプリメントではやらないだろうね。都市のさまざまな事情に合わせたcovenantの組織例は紹介するが、そのcovenantの本質を大きく変えるものにはならないだろう。とはいえ、covenantはV:tR基本ルールで紹介したよりはるかに多様性に富む集団だ。同じLancea Sanctumでも放浪の托鉢修道士もいれば、真紅の衣に身を包んだ異端審問官もいる。サプリメントに書いてないものは存在しない、とは思わないでほしい。サプリメントの記述はいわばサンプルだ。たとえばLancea Sanctum本に「米国南部では」これこれこういう活動をしている、という記述があったら、君は「北部のアイダホ州では」と置き換えて使ったってかまわないんだ。そうやって局地的に設定を引っこ抜いてこれるのがネオ封建制のいいところでね。
Q:メタプロットは少しはあったほうがシナリオのネタができてありがたいんですが、将来的にそういうのが新たに登場する可能性はありませんか?
A:V:tR用にメタプロットを作るか、という意味かい? それはないね。長期的なシナリオソースやキャラクターアイデアが欲しいなら、今後出版されるV:tR小説シリーズが恰好のネタになるんじゃないかな。都市ソースブックにもドラマチックな設定を構築するためのアイデアを色々載せるよ。今後、V:tRの史劇を展開するうえで役立つものを提供していきたいとは思っているが、少なくともメタプロットは提供しない。僕だって、誰もがすばらしい物語を育てていけるようにしたいと願ってはいるんだよ。そのための手段としてメタプロットが有効な場合もあるのはたしかだ。僕はなにも、STに意地悪をするつもりでメタプロットを切り捨てるわけじゃない。もっといいものを提供しようとしてるんだ、ということをわかってほしい。
Q:WoD2.0ではシリーズ間のゲームバランスを重視しておられるようですが、具体的にはどうやって調整しているのですか?
A:そのためにディベロッパー全員と編集者(たち)でミーティングを重ねている。あるゲームに導入した要素が他のゲームに支障を及ぼさないかどうか、ディベロッパー同士で相互チェックをするんだ。最初のbloodline本のネタバレになるけど実例をあげよう。僕はV:tRに影を操るDisciplineを追加しようと思った。そこでEthanとBillと僕でミーティングを開いて、WoD2.0の世界に影を操る超常能力は存在する、ということで合意をとりつけた。次にそのDisciplineがmageのパワーやwerewolfの呪術にどう影響するかについて話しあったわけだ……まあ話しあいといっても、EthanとBillが語るありがたいご神託を僕が精一杯速く書きとめることと概ね同義なんだけどね。とにかく、僕たちは常に協力しあってゲームバランスの維持に努めている。そもそも僕がこの美しいアトランタに越してきたのも、ディベロッパー同士いつでも膝を突き合わせて相談できるようにするためでね。
(Professor注:WillはV:tRディベロッパー就任決定後、11月にWhite Wolf本社があるアトランタに転居した)
Q:ヴィクリア時代や中世暗黒時代を扱う製品はもう出ないのですか?
A:『Victorian Age: Vampire』が日本語かなにかに翻訳されるらしい、という話は聞いているが……それがいつ出るのか、って質問じゃないよね? WoD2.0版のVictorian AgeやDark Agesが出るか、という意味なら、たぶん君がそういう本を目にすることはないだろう。より正確に言えば、出すと決まった本もまだ出し終えてないんで、そういうことを考えるとしてもまだまだ先の話だ。個人的にいうなら、僕は歴史が好きだし過去の時代を舞台にしたゲームも大好きだが、そういう歴史的要素はまとめて本にするより、必要に応じて言及していくほうが便利じゃないかと思う。まあ、先のことはわからないよ。でも1.0時代と同じような本をルールだけ2.0に合わせて出す、という可能性は薄いだろう。
Q:もしあなたが初めからV:tRのディベロッパーだったら、V:tRは今と違うものになっていたと思いますか?
A:陳腐な答えに聞こえるだろうが、たぶん僕が初代ディベロッパーだったとしても、Justinと同じことをやっただろう(実際に彼が何をやったかは知らないよ)。実際、新しいWoDの展開は僕の好みにまさにぴったりだった。そもそもV:tMだって、メタプロットは好きじゃなかったが雰囲気が気に入っていたんだ。あの世界に漂う空気みたいなものがね。僕はV:tRのヴァンパイアには、V:tMのような画一的な起源神話を与えたくないし、もっと古典的な、民間伝承的な要素を持っていてもいいんじゃないかと思っている。そういうものを取り入れる手段を用意できればいいね。個人的な印象だけど、V:tMは目に見えない「唯一の真の物語」を試行錯誤を繰りかえしながら正しくなぞろうとするゲームだったように思う。V:tRはむしろ、ヴァンパイアのあらゆる多様性を包括したゲームにしていきたい。新しいWoDはより開放的で、一般的なゲーマーや非ゲーマーにもとっつきやすいものになっている。そして……ああ、脱線はこれぐらいにしておくか。
Q:Developer Chat恒例の質問を。好きなclanやcovenantは何ですか?
A:ううむ、難しい質問だな。僕はあんまり物事にこだわりがないほうなんで……
あえて言うならCircle of the CroneやMekhetかなあ。明日にはまた答えが変わってるかもしれないよ。
Q:ヨーロッパを舞台にソースブックを出す予定はありますか?
A:「ヨーロッパ向けに」という意味じゃなくて「ヨーロッパを題材にした」ソースブックのことだよね? そうだな、設定資料集を作るならいつかエジンバラをとりあげたいと思ってる(ヨーロッパ大陸じゃないけどね)。あと、どこかすごく非西洋的な地域や思想についても書きたいなあ。いずれにせよ、答えははっきり「イエス」だ。
Q:「非西洋的な」とおっしゃいましたが、それは旧WoDのKuei-jin(鬼人)みたいにまったく異質なヴァンパイアが今後登場する、ということですか?
A:将来的にはわからない、と前置きした上で、こう答えておこう。WoD世界のヴァンパイアはすべて、本質的には、同じ種族だ。それとは相容れない性質をもつ吸血鬼を出すとしたら、たとえば『World of Darkness: Antagonists』のAswangのような形で紹介することになるだろう。プレイヤー・キャラクターとして使用できるvampireについては、バリエーションはあってももとを正せば同じ生物種ということにしようと考えている。ちなみに『Bloodlines: The Hidden』では、世界各国のヴァンパイアが登場するよ。
Q:ディベロッパーとして、スタイルや目標で君がJustinと違うところはどこだと思う?(これはファンではなくMatt McFarlandからの質問)
A:僕が知るかぎり、Justinはビール飲みだ。僕はもっぱらスコッチとウォッカ派。どちらもイェーガーマイスターを飲むという点では共通している。……いや、真面目な話、答えを探すのは難しい。僕が呼ばれたのはJustinとの共通点をかわれてのことだからね(高給取りじゃないってこともあるだろうけど)。
Q:今後、レベル5以上のDisciplineは登場しますか?
A:君が誰とプレイするかによる。僕は手をつけるつもりは当分ない。将来やるとも約束できない。それは個々のストーリーテラーが裁量するべき領分だ、と思う。今のところはね。
Q:エラッタはいつごろ発表されますか? 僕たちが見つけた誤りをWhite Wolfに知らせる方法はありますか?
A:(Conradから「conrad@white-wolf.comへメールをください」と回答)エラッタはいままさにとりまとめている最中だ。小出しにするようなことだけはしたくないと思っている。エラッタってのは、本質的に追加更新されていくものだと思うが、2週間ごとにチェックしなきゃいけないようなのはイヤだろう? でも、僕はWhite Wolf Forumをチェックしてエラッタ報告を拾ってるんで、エラッタに関する投稿をするときはそれが分かるような題名を付けると、エラッタを出す前に答えてあげられる確率が高くなる。すぐに回答できないときもひとまず記録しておいて、個人的に検討するなり他のスタッフに相談するなりして答えを探すようにしているよ。
Q:Ordo Draculがらみでパワースポットやレイラインに頻繁な言及がありますが、これらを扱うルールはまだありませんね。サプリメントでフォローされる予定はありますか?
A:すごく身も蓋もない話をするなら、パワースポットやレイラインというのはストーリーを進めるための小道具にすぎないんだよ。ヒッチコックのいうところの「マクガフィン」、思わせぶりに登場して話を盛りあげるためだけに存在する設定であって、それ自体にたいした意味はない。だからそれを管理するルールも必要ない。ルールブックに書いてあることがすべてだ。キャラクターを動かす動機、口実なんだね。ま、将来的にはもう少し情報は出るよ。いま僕が制作中のOrdo Draculサプリメントでは、もう少しだけ踏みこんで言及する予定だ。どちらかというと、Dragon Nestsやら何やらが『Werewolf』や『Mage』にどう関わってくるか、という点で興味深く読んでもらえるのじゃないかな。WoD2.0では各ゲーム間で設定が相互につながっていることを示す好例になるだろう。ま、続報をお楽しみに。
Q:VIIと彼らの「Kingdom」について何か情報をくれませんか?
A:Justinも前回のチャットで言ったことだけど、VIIの正体についてはまったく異なる3通りの設定をそれぞれ別のライターに書いてもらっている。ストーリーテラーはどれを採用してもかまわないし、部分的に組み合わせてオリジナル設定を作ることもできる。この本は新しいVampireにおいて世界設定がどのように展開していくかを示す輝かしい模範になるだろう。僕自身、3つの設定案を見せてもらってすごく興奮したぐらいなんで、きっと君たちも楽しんでくれると思うよ。発売は、2005年の後半になるかな。そういえばMage: The Awakeningも05年後半だね。
Q:他のサプリメントについてもVII本のように「そういう説も、こういう説も、ああいう説もある」という柔軟性は持たされるのでしょうか?
A:まちがいなくそうなる。将来的には、ヴァンパイアの呪い自体もカスタマイズ可能にできるといいな。それから実験的に作ってみたいのはVIIのように複数の設定をもつ都市ソースブック。これは絶対面白いぞ。
Q:Golcondaについてもっと詳しいことが明かされる可能性はありますか、それとも公式には謎のままにとどまるのですか?
A:イエスとノーの両方だ。まだ企画段階なんだが、Golcondaとはいかなるものかを異なる文化の視点から考察する、VIIサプリメント形式の本を作ろうかと提案している。まあ実現するとしても再来年の話かな。
Q:Vampireディベロッパーという立場上、Mageの新情報についてはわかりませんよね……?
A:知ってることはあるよ。でも話さないよ。一言だけ言おうか。僕は気に入った。……付け加えるなら、すべてのmageはガンダルフのように灰色であるかラダガストのように茶色でなければならない。杖は必須だ。ひげは支給される。帽子はオプションだ。決めたのは僕じゃないぜ。賢人会議の規則なんだ。ところでガンダルフがサルーマンの杖を折った意味は何だと思う? 講義の単位をもらえるとか、うまいものをおごってもらうのでないかぎり、ただで他人の理論を批評するもんじゃないってことさ。
Q:V:tRの設定の中で、どの辺りにいちばんディベロップの余地があると思いますか? あるいは、ほぼ完成していてあまり手を加える必要はないと思う部分はどこですか?
A:V:tR基本ルール(とWoDコア)はあくまで基礎固めだと思っている。僕たちの当面の仕事は、その基礎にいろんなものをかぶせていくことだろうね。Covenant本とか、追加bloodline集とかで……だから、現時点ではどの部分も完成したとはいえない。あらゆるものにまだまだ手を加える余地がある。でもあえて言うならヴァンパイアの文化面、たとえば世界へのかかわり方、種族としての習性や同族とのつきあいかた、といった方面はいちばん作りこむ甲斐があるだろうな。ヴァンパイアの文化人類学みたいなものだよ。
Q:今後WoDでどんな本をいちばん出したいと思いますか?(ちなみに質問者はTashiroという日本人風のハンドルネームを使っていた)
A:WoD全体で、ということ? 正直、今の時点では何も言えないな。ただ、僕はもうそれにとりかかっていて、周囲の人間の意見はまっぷたつに分かれている。それはいい本だと思う連中と、ばかげてると思う連中とにね。V:tRに関して言えば、もし作れたらさぞ面白いだろうと思う本があって、それはヴァンパイアの間で密かに語られている神話や伝説の集大成だ。それをゲームに反映するためのオプションルールとか、変なモンスターとかを付けて、サプリメントとして投下する。それで何が起きるか見てみたい。
Q:『Vampire Storyteller Handbook』に載っていたようなQ&A集は出ませんか? たとえばヴァンパイアは血の涙を流すかとか、指紋を残すかとか、牙は引っ込められるのか、とか、そういう疑問に答えてくれるような……
A:それについてはずいぶん悩んだんだ。物事を説明する方式としてわかりやすいのはたしかだしね。結論として、僕はその手の質問をこう処理することにした。Q:「ヴァンパイアは指紋を残しますか?」A:「君のゲームで残すことにする場合、かくかくしかじかの問題が起きるだろう。だが残さないことにした場合は、かくかくしかじかの問題が発生することになる」あるクロニクルではAだったことが、次のクロニクルではBになったってかまわないと思う。実際には片方をデフォルト設定に選ばざるをえないこともあるだろうが、もう一方の可能性を切り捨ててしまいたくはないな。
Q:Belial's Broodのもっと掘り下げた設定が見たいのですが……基本ルールを読むかぎりでは底の浅い敵役、プレイヤー・キャラクターの噛ませ犬のようにしか見えません。VIIのように異なる正体を提示するとかして、もっと奥の深い、深謀遠慮をめぐらす姿があきらかになったりしませんか?
A:現時点では、Belial's Broodについては特に掘り下げる予定はない。底の浅い悪役に見えたっていいじゃないかと思うしね。だってそれが奴らの役回りなんだから。なにかすごい発想がわいたら設定をいじるかもしれないが、奴らが設定の穴だとしても、今ふさがないと船が沈むというほどのでかい穴じゃないだろう。
Q:このまま歴史の赤い闇に葬られるって可能性もありですか?
A:それが身の毛もよだつ凄惨な末路だと仮定すれば、イエスだね。
Q:基本ルールに登場した5つ以外のcovenantを作る予定はありますか?
A:まず既存のcovenantを違う切り口で見せるところから始めようと思っている。たとえばInvictusがムンバイでどのような組織に発展を遂げたか、とかね。トルコとか日本とかインドといった地域のソースブックを作るとしたら、たぶん既存のcovenantに新しいのを1つ2つ追加、といった感じになるだろう。いや仮定じゃなくてほんとにやりたいんだけど、まだ越してきてからカーペットも敷き終えてないありさまだし、犬は散歩に連れてかなきゃいけないし、テレビゲームもやらなきゃ……
Q:ドラキュラ(Dracula)とロンギヌス(Longinus)が戦ったらどっちが勝ちますか。
A:まず二人の居場所を突きとめるのにハンパじゃない人手を必要とするだろう。だいたいロンギヌスはまだ生きてるのかどうかもわかりゃしない。まあ答えとしては——ロンギヌスは槍でヴラドを串刺しにするが、ヴラドもろとも塔の窓から転落する。すさまじい稲光。そして地面に叩きつけられたとき、串刺しにされた串刺し公と同じく串刺しになったロンギヌスの屍がある。 もはや動かない二人の上に降り注ぐ激しい雨は神の号泣か。そこへ現れたJustin Achilliが、二人の血を啜ったあと耳を噛みちぎって去っていく。そこへツェッペリン飛行船が爆撃ですべてを灰にする。—完—
Q:古代ローマ時代の設定資料集を作るかもという噂がありますね。Justinはすごくやりたがっているそうですが、あなたの意見はどうですか?
A:Justinからその話について色々聞き出したんだが、非常にエキサイティングな題材だと思う。僕はぜひ実現したい。問題は、早く出せば出すほど、V:tRをモダン・ゴシック・ホラーと位置づけた意義が薄れてしまうことだな。だから時期は言えないが、いつの日か古代ローマにKindredがおめみえすることにはなるだろう。
Q:V:tRはV:tMより官能的な要素の強いゲームになったわけですが、そのことについてどう思われますか。
A:V:tRに限らず、WoD2.0のゲームはすべて官能的要素が強まったと思うね。新しいゲームシステムでは、舞台設定や雰囲気といったものがいっそう重要な意味を持つようになっている。ストーリーテラーがある状況を難しくしようと思えば、状況ペナルティを与えるものを実際にの場に登場させないといけないわけだが、都合の良いことにそれがドラマを演出する舞台装置として機能する。雨とか、爆煙とか、匂いとかね。これはすばらしいことだと思う。だから官能的でオーケイ!
(Professor注:意味がよくわからない人は「官能」を辞書でひいてみよう)
Q:blood sympathyルールのおかげで、ヴァンパイアの親子間での陰謀劇がやりにくくなったような気がするんですが……お互いに感知し合ってたら何か企んでもすぐ感づかれるでしょう?
A:ぜんぜんそんなことはない。blood sympathyはことが終わってから起きるものだ。陰謀はことが起きる前に動くものだ。でも物語はいつだって、物事が明るみに出ようとするときにはじまるものさ。もちろんblood sympathyが導入された結果V:tMとは違ったストーリーテリングが要求されることはあるだろうが、あれは陰謀劇をさせないために作られたルールじゃないよ。
さて、今回すこぶる印象的だったのはDeveloper Chat恒例のプレゼント付きクイズだ。これまでは誰でも2秒でわかるような出題が多かったのだが、今回は真の意味でトリビア知識が問われる問題が出た。
「ジョン・ポリドリという医師が書いた『吸血鬼(The Vampire)』は1819年出版で、英語で書かれた最古のヴァンパイア小説とみなされている。だが最初にそれを考えついたのはポリドリではなく、彼の患者の中で最も有名な男だった。その男は1816年の夏、ジュネーブ湖畔のディオダティ 荘に友人たちと滞在中のある晩に草稿の一部を書いたのだった。さて、ポリドリ医師のいちばん有名な患者とは誰?」
なお、近々WolfSpoorに掲載されるインタビュー記事でもV:tRに関する多くの疑問に答えているということなので要チェックだ。
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【werewolftheforsaken.com】Urhanは、ひらたくいえば、狼形態だ。この形態のワーウルフは、ふつうのアメリカオオカミやハイイロオオカミに見える。アフリカ系のワーウルフだと、 ケープ・ハンティング・ドッグに似ることもあるようだ(たぶん日本のワーウルフは絶滅したニホンオオカミに似てる、って言われるんだぜ、そのうち)。
少なくとも、家畜化された犬には見えないらしい。これはW:tAの時代から言われていることだが、結局サプリメントによってはコヨーテだの野犬だのに似たNPCが出てくるのだった。思うに、「自分のルーパス形態は犬に似ている」と主張して街中でルーパス形態を人目にさらすプレイヤーに制作側が辟易して、こういう文章を付け加えるようになったのではないか。だってそれじゃあワーウルフじゃなくてワードッグだもんな。
ともあれ、外見はごくふつうの野生動物なので、この形態のワーウルフに対して超常の手段で正体を見破ろうと試みる場合、−2のペナルティがかかる。
データ面でまず眼を惹かれるのは、なんといっても特性値ボーナスの豊富さだ。
まずW:tAでの狼形態=ルーパス(Lupus)の能力値修正はどうだったか見てみよう。
Statistic Adjustments: Strength +1, Dexterity +2, Stamina +2, Manipulation 0
【能力】修正:〈筋力〉+1、〈敏捷〉+2、〈体力〉+2、〈交渉〉0
- Werewolf: The Apocalypse Revised Edition p.204
(訳文は『ワーウルフ:ジ・アポカリプス日本語版』p.231)
基本システムが違うので純粋に比較はできないが、W:tFではこうなる。
Traits: Dexterity +2, Stamina +1, Size –1, Initiative +2, Speed +5, +4 to perception rolls, track by scent-werewolftheforsaken.com, 12/21 update
Forumでは「じゃあ実質的にSpeed+7、Init+4か!?」などと色めき立っている人々がいるが、たぶん違うと私は思う。そもそもDexterity(敏捷性)が上昇するとInitiativeとSpeedも上がるルールなので、Initiative +2, Speed +5という数値にはDex上昇分がすでに計算済みという気がするのだ。まだ現段階では推測しかできないが。
Speed +5というのが突出しているように見えるが、実はW:tAでもルーパス形態の移動速度はホミッド形態の2倍というルールがあったので、別段新しいコンセプトではない。ただ、新WoDにおいては移動が(Speedメートル以内の1回の移動なら)action消費なしで行えるようになったので、足の速さを生かしてヒット&アウェイ戦術というのも面白そうだ。
Size -1というのはまあ狼と人間の大きさを考えれば当然の修正なのだが、Stamina +1でHealthが下がらないように補っているのが心憎い。
また社交系の能力が下がらないのも大きな変化だろう。W:tAではガルゥ同士の交渉のみ社会系能力値のペナルティを無視してよいことになっていて、しかも授けには〈交渉〉で判定を行うものが非常に多く、はたして精霊に対してはペナルティを適用したものかどうかとSTは頭が痛かったものだ。
perception関連の判定に+4というのはなかなか強烈だ。しかも一度血の味を覚えた相手に対する追跡判定はさらに+4のボーナスがついたはずで、つまりUrhan形態のワーウルフが、一度血を味わった獲物を追跡する場合、なんと+8もの修正がつく、という推測が成り立つ。
またこの形態では、grappleを用いずに噛みつき(bite)攻撃を行うことができ、ダメージは人間ならbashingのところがlethal damageとなる。
ちなみにヴァンパイアはまずgrappleで相手を取り押さえないと噛みつけず、つまり自分より極端に力の強い相手に押さえつけられてしまうと(Vitaeで能力値をブーストしたり、Vigorを使ったりしないかぎり)相手に噛みついて反撃するのもなかなか難しいので、やはり肉弾戦ではワーウルフ有利というべきか。
wolfspeech(狼語)が喋れるのはW:tAと同じ。
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