【WolfSpoor, 2005/3/10】White Wolfに関するニュースや噂を収集するサイト「WolfSpoor」で、サイトマスターのIan Watsonが、V:tRおよび新METのアートディレクターPauline Benneyに行ったインタビューの模様がアップされている。ゲームを作る、というより本を作る人としての視点からの言葉が新鮮だ。
Ian: TRPGを始めたきっかけは? どういう経緯でWhite Wolfに就職されたんですか?
Pauline: 小さいころ家族でD&Dを遊んでいたのが始まりかな。父と兄がすっかりのめりこんでて、家族のほとんどをプレイ仲間に引きこんでいたのよね。じきにやめちゃって、長い間TRPGなんて見向きもしなかったんだけど、何年かして、彼氏(当時の)が「『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』をプレイしないか」って私と親友を誘ったわけ。二人ともコミック中毒者だったから気に入るだろうと思ったのね。実際気に入ったけど。しばらくそのグループでV:tMを遊んでた。仲間入りしてすぐの頃だったかな、White Wolfから『ノド書』が出たのは。内容は面白かったのに、初版は印刷ミスだらけだった。今の版では修正されているけどね。そのとき冗談半分に言ったことは今でもはっきり覚えてる。「この出版社が私を雇ってくれたら、こんな印刷ミスだらけの本はもう出させないのに」って。みんなで笑ったわ。なのに、それから2年後にはインターンを経てWhite Wolfの製作屋になっちゃった。正直この仕事につくことになるなんて思いもしなかったわ。V:tMをプレイしなくなってずいぶん経ってたし、特に転職活動してたわけでもなかったから、この職におさまった時にはみんな驚いたけど自分でもびっくりした。Vampireシリーズのアートディレクターになるなんて、しかも自分の手で装丁を一新するチャンスをもらえるなんて。本当に、人生何が起こるかわからないわ。
Ian: 本にイラストを選定する際は、どういう点に配慮しますか?
Pauline: まず原稿をざっと読んで、その本の雰囲気をよく把握してから、雰囲気に合うような画風のイラストレーターを探すの。仕事をお願いするイラストレーターさんたちはほんとに何でも器用に描いてくれる人ばかりよ。イラストの細部を打ち合わせするのはすごく楽しい。時々、やりとりを記録しておいたらどんなに面白いだろうって思う。
Pauline「うーん、この男が持ってる銃だけど、なんというか……もうちょっと原始的な武器になりませんか」
イラストレーター「ボーイーナイフなんてどうです?」
Pauline「悪くないけど、なにか凶暴な雰囲気が出したいんですよね」
イラストレーター「アイスピックでは?」
Pauline「完璧! じゃあアイスピックを振りあげてるポーズにしてください」
Ian: お仕事の流れを教えてください。
Pauline: 初めにディベロッパーから新しい本の制作ノートとか原稿とかが回ってくるわけ。
それを読んで、適切なイラストレーターを選定して、時には部署のリーダーや他のアートディレクターの意見も聞いてから、イラストを発注する。イラストレーターはまずラフスケッチを送ってくるので、その方向で描き上げてもらっていいか検討する作業もあるわね。イラストと編集済みの原稿がそろったら、ようやくデザインやレイアウト作業に入れる。私たちの部署では共同作業が多いの。デザイナー間での打ち合わせも頻繁にあるわ。みんなが密接に協力しあってる。
Ian: イラストレーターを志望する人々になにか一言おねがいします。
Pauline: あきらめないで。きちんとした技量があれば、どんなイラストレーターでも仕事の口はあるわ。もちろん、店頭でハンドバックに絵を描いて実演販売したいっていうなら売り込み先を考えないといけないでしょうけど、どこかにきっと需要はあるはず。がっかりしても投げ出さないで。私が採用したイラストレーターの中にも、何年か様子を見て腕が上がってきたところで初めて仕事を発注した人が何人もいるわ。駆け出しの頃から進歩を見守ってきた相手と仕事ができるっていうのは本当に素敵なことよ。わくわくさせられる。
Ian: 10年後には(状況が許せば)Vampire: The RequiemはVampire: The Masqueradeに劣らぬ古典的TRPGになっているでしょう。そのとき再び新たなWoDが作られることになったら、V:tRのどの部分が受け継がれてほしいと思いますか?
Pauline: わからないな。10年後にもう一度聞いてよ……状況が許せば(笑)あの本はみんなが本当に協力しあって生まれたものよ。それがなによりの誇りだわ。
Ian: 最後に、私のほうから聞かなかったことで、何か仰りたいことがあればどうぞ。
Pauline: この仕事をこの会社でやれるのは最高よ。ストレスたまるし、本を出せば聞こえてくるのは文句ばかりだけど、好きなことを、好きな人たちと、好きな人たちのためにやってるんだから。これ以上望むことはないわ。
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