【White Wolf Quarterly, 2005 Spring】
Quarterlyの発売予定にいくつか新顔が上がっている。すでに公式サイトのRelease Scheduleで発売日が公表されているものについては、そちらのほうが正確だと思うので除外する。
![]()
【White Wolf Quarterly, 2005 Spring】
W:tFに同梱されてきたQuarterly最新号の中面に、8月発売予定の『Mage: The Awakening』の広告が出ている。気になるタイトルロゴは、楔形を組み合わせたような書体で、金色のシャープなデザインだ。M:tAよりかなり洗練された印象を与える。この広告に限ってか、メイジのイメージカラーなのか、地色はシックな藍色だ。
どことなく中世風の身なりをした髭面男と、両手に拳銃とライフル様の武器を構えた近未来風の女、そしてスーツを着た現代風の男が、長い上り階段を背に立っているという構図。3人の周りには、魚のような、竜のような、奇怪な生物が飛び回っている。
そしてこんなキャッチコピーが……
You have been put to sleep.
Wake up.
The world hides great mysteries.
Find them.
The shadows are full of dangers.
Face them.
Magic is all around you.
Wield it...
...before someone else does.
たぶん、この「before someone else does.」ってあたりがAwakeningのミソなんだろうな。
ちなみに予価34.99ドル、ISBN 1-58846-418-0。
![]()
【Werewolf: The Forsaken Daily, Mar. 9】
ワーウルフのRenownは霊的な銀色の烙印という形で視認できる(3/8の更新。功績によって増えるものといっても、自然に備わるものではなく、Luneの力を借りなければならない。そのための儀式がRite of the Spirit Brandだ。
This one-dot rite invokes the Lunes to confirm that a given werewolf has achieved a greater measure of Renown. The Lunes respond by marking the subject with silver brands, proving that he’s claimed the right to greater standing among his people and the spirits. Traditionally, a werewolf must perform this rite for another. It’s generally considered too proud and crass to perform it for oneself, though some Ghost Wolves have little alternative.
この1ドットの儀式は、Luneたちに呼びかけて、対象となるワーウルフ1人のRenown段階が上昇したこと証だててくれるよう求めるものである。Luneたちは祈りに応えて対象に銀色の烙印を授け、同族や精霊の中での位階が上昇したしるしとする。この儀式は他のワーウルフに頼んで執り行ってもらうのが慣例だ。自分自身に行うのはふつう傲慢で身の程知らずなこととされているが、Ghost Wolfたちの中にはやむをえずそうする者もいる。
実際の儀式は次のように行われる。
The ritualist intones a chant honoring the subject’s strength and wisdom. The exact wording of the chant may be poetic or modern, depending on the ritemaster’s talents, but it must be respectful. As he continues the chant, the ritemaster runs her nails (or claws, if in Dalu form) in ritual patterns across the skin of the subject. As the rite continues, the patterns begin to glow with silver light and take on the form of spirit brands. When the rite is complete (usually taking several minutes), the brands blaze into being and then fade to the proper state (to invisibility if the rite took place in the physical world).
祭司は対象の力と知恵を讃える言葉を唱える。古めかしい韻文でも現代的な散文でも、司祭の得意な形式でかまわないが、敬意に満ちたものでなくてはならない。賛歌を唱えながら、司祭は対象の肌の上に爪で呪術的な文様を描く。儀式が進むにつれて、爪がなぞった痕は徐々に銀光を放って輝きはじめ、霊的な烙印をかたちづくる。儀式が完了すると(通常は数分で終わる)、烙印はいっとき目もくらむばかりに眩く輝き、やがて徐々に薄れて通常の状態に戻る(もしこの儀式を物質界で行ったなら、見えなくなる)。
Like all rites, the Spirit Brand requires the ritualist’s player to roll Harmony as a dice pool.
すべての儀式と同様、Spirit Brandを行う祭司はHarmonyをダイスプールとして判定を行わねばならない。
![]()
【Werewolf: The Forsaken Daily, Mar. 8】
狼は群れの中に厳然とした階級制をしく動物だし、精霊もShadow Realmに独自の階級社会を築きあげている。その子孫であるワーウルフにもまた、本能に裏づけられた階級制が存在する。それを表現するのがRenownシステムだ。
Renown represents a werewolf's reputation among the Uratha and among the denizens of the spirit world, but it isn't merely a measurement of social standing.
RenownはUratha社会と精霊界での名声の高さを表すが、単なる社会的地位を示す指標ではない。
W:tAの名声/Renownシステムは、経験点とは別に個人の功績に応じた名声プールを与えるというもので、それが溜まると衛族の承認を経て名声レベルが上昇し、3種の名声レベルが一定基準に達すると、これまたガルゥ社会が与える試練を経て位階/Rankが上昇するというものだった。
W:tAには「考えると理屈に合わないが、リアリティを追求すると興ざめする」という部分が色々とあって、そのひとつが名声の伝播する仕組みである。たとえば、あるガルゥが3レベルの特殊な授けを教わりに、影界の奥に棲む精霊を訪ねていったとしよう。3レベルの授けを教わるには、位階3以上でなければならない。名声も位階もすべてガルゥが与える評判ならば、精霊はどうやってガルゥの位階を識別するのか?
これに関する議論は Werewolf Storytellers Handbook (Revised Ed.) p.53の「If Nobody Sees It, Does It Count?」に詳しいが、ゲーム的な公平さを追求するなら「功績を挙げる/失態を犯す場面を誰も見ていなかったとしなくても、正しくそれに応じた名声を与える/奪うのが望ましい」というのが基本路線らしい。しかしながら、
fairness wins out over "realism."
公平さは「リアリズム」に勝る。—— Werewolf Storytellers Handbook (Revised Ed.) p.53
と、この方針がリアリティに欠けることは認めている。よりリアリティを重視した代案もいくつか挙がっているが、STやPLにそれなりの負担がかかることは覚悟しなければならない。
また精霊がガルゥの位階を識別する手段にしても、
...no hard and fast rules exist for determining how a spirit recognizes a Garou's Rank,
精霊がいかにしてガルゥの位階を識別するかという点について確固たるルールは存在しないが……—— Werewolf Storytellers Handbook (Revised Ed.) p.55
と歯切れが悪い。
長々とW:tAを引用したのは、この収まりの悪い部分がW:tFではいささか大胆な設定で解決されているからだ。——つまり、Renownは目に見えるのだ。
The trait is attained through ritual acknowledgment of one's deeds, and it's as visible as a brand to spirits. In fact, when a werewolf enters the spirit world, her Renown becomes clearly visible to any observer as a series of bright, silvery brands.
(Renown) は個人の功績を認める儀式によって授けられ、精霊の目には烙印のようにはっきりと識別できる。それどころか、ワーウルフが精霊界に入ると、そのRenownはまばゆい銀色の烙印の連なりとして、誰の目にも明瞭に見えるようになるのだ。
少々漫画じみてはいるが、Renown上昇に儀式が必要な理由、精霊がGiftを授ける資格を有するUrathaを見分けられる理由をきれいに説明している。なぜ霊的な銀の烙印なのか、という点についてもちゃんと理由がある。
For the Forsaken, Renown is judged and marked by the choirs of Lunes, moon spirits associated with the five phases of Luna.
Forsakenの場合、Renownを授けるに値するかどうかを見極め、印をつけるのは、Luneたちの役割である。Luneは月の精霊族で、Lunaの5つの相に対応して5つのchoirに分かれている。
Pure tribesの場合また別の精霊からRenownをもらうのだろうが、さて。ちなみに地位や功績と好感度はどうも別物らしい。
Renown does not guarantee a positive reaction from spirits or even from other werewolves, however. Denizens of the Shadow Realm are likely to see a high Renown Uratha as a dangerous creature best not to antagonize rather than anything akin to a friend.
しかし、Renownはけっして精霊からの好意的な反応を保証するものではない。同じワーウルフからでさえ怪しいものだ。Shadow Realmの住人が高RenownのUrathaに敵対するのを避けるとしても、それはおそらく保身のためであって、親しみからではないだろう。
この後は、すでに他のPreviewや噂やデモシナリオで紹介されてきたことの総括的な話になる
。
Renown comes in five types: Purity, Glory, Honor, Wisdom and Cunning. Each tribe and auspice (and choir of Lunes) is aligned with one type of Renown, but all Forsaken respect the five types.
Renownには5種類ある。Purity(清廉)、Glory(武勇)、Honor(高潔)、Wisdom(思慮)、Cunning(機転)だ。各tribe、auspice、Luneのchoirは、いずれかのRenownとつながりがあるが、どれ一つとしておろそかにされるRenownはない。
In terms of game mechanics, Renown is closely linked to a werewolf's Gifts. Not only do the various types of Renown affect the dice pool of various Gifts, but gaining a new dot of Renown (by the player spending experience once the character has accomplished a worthy deed and been recognized by the appropriate choir of Lunes) grants a new Gift. Also, werewolves can never have Gifts of a higher level than their highest Renown trait.
ゲームシステム上、RenownはワーウルフのGiftに密接に関わってくる。多くのGiftで発動判定のダイスプールに関わってくるのはもちろん、Renownが1ドット増えるごとに(これにはキャラクターが然るべき功績を挙げた上で、対応するLuneのchoirの承認を受け、所定の経験値を支払うことが必要だ)新しいGiftを1つ習得できるのだ。また、習得可能なGiftのレベルは、Renownの値のうち最も高いものが上限となる。
![]()
White Wolfのプレオーダーで頼んだのだが、本日発売だから明日あたり到着だろうとたかをくくっていたら、ほんとに「14日中に配達のこと」と期日指定便で届いた。高いInternational Priority料金を払った甲斐があったよ、まったく。M:tAwをプレオーダーしようとか思ってる人は、Priorityだとほんとに発売日に届いてしまいかねないので昼間に受けとる手配をしておく必要がありそうだ。
8割方梱包材に埋めつくされた段ボールという極めて環境に宜しくない箱に入っていた(でも角がちょっと傷んでいたのはご愛敬)。おまけはWhite Wolf Quarterlyの春号。まだ公式サイトでは公開されていないのでちょっと得した心持ちである。
流して見たところ、配色の関係もあるのだろうがV:tRより目に優しい感じ。見出しに手書き風のフォントが使われているのは同じだが、それほど見づらくはない。アートディレクターはW:tAと同じアイリーン・E・マイルズなのだが、どうかしたのかと思うほどイラストの質は格段に向上している。穴埋めみたいな安っぽいものはほとんどない。
特に、精霊を描いた挿絵はどれも雰囲気が良くて、Shadow Realmの危険で奇怪なイメージがありありと伝わってくる。「Weird」とでも形容すべきだろうか。たいへん気に入った。しばらくは幸せな読書時間を過ごせそうだ……少なくとも19日ぐらいまでは。
![]()
【Werewolf: The Forsaken Daily, Mar. 4】Urathaのパックを一つに結びつけているのは、tribeでも、国籍でも、性別でもない。トーテム(totem)だ。
The totem links the werewolves spiritually, making them family. A werewolf might not like his packmates, but he would sooner die than betray them.
トーテムはワーウルフの魂を結びつけ、家族のような絆を築きあげる。ワーウルフはパック仲間に必ずしも好感を抱いているわけではないが、裏切るぐらいなら死を選ぶだろう。
実際、パックに対する裏切りは Harmony 2 に匹敵する大罪だ。人間やヴァンパイアでいえば猟奇殺人なみである。
tribeにもそれぞれトーテムがいるのだが、packのトーテムとはまた別物らしい。
Although the five tribes have totemic relationships with great wolf spirits, those bonds are ancient and distant. A pack totem is nowhere as powerful as one of the Firstborn, but the spirit stays with the pack on a day-to-day basis, imparting of mystical blessings, teaching the pack Gifts or even fighting alongside it.
各tribeにもそれぞれトーテムたる狼の大精霊がいるが、絆は古いおぼろげなものだ。いっぽうパックのトーテムは、力こそFirstbornには遠く及ばないものの、パックのそばにいて日常的に力を貸してくれる。ちょっとした加護を授けたり、パック仲間にGiftを教えたり、ときには共に戦ってくれさえするのだ。
W:tAのパック・トーテムが部族トーテム級の大精霊が遣わす眷族精霊だったことを覚えている者にとっては、W:tFではパック・トーテムが狼しかいないんだろうか、と心配になるが、9日のディベロッパー・チャットでEthan Skempは明瞭にこう否定している。
Q: パック・トーテムは動物霊でないといけないんですか?
A: いやいや、そんなことはない。例としてわかりやすいように動物を引き合いに出しただけで、なんならW:tAの《雷の父祖/Grandfather Thunder》みたいなのを作ったっていいんだよ。
さて、敵だらけの精霊界で味方になってくれるトーテムは確かにありがたい存在だが、味方になってもらうまでの道のりは長い。
A pack must first identify a particular spirit they wish to bond with and then convince or coerce it into doing so. Many starts by hunting down the spirit and then enter long and delicate negotiations. Spirits are proud and finicky and most do not trust the Uratha one bit — a pack must convince the spirit that the bond will benefit the spirit as much as the werewolves. Promising gifts of Essence, supporting the spirit's resonance, and protecting the totem from other predatory spirits are all tried and true ways to bargain.
まずトーテムの契りを結ぼうとする精霊本人を見つけ、それから脅したりすかしたりしてパック・トーテムになることを承知させねばならない。大抵の場合、精霊をつかまえるだけでも一苦労で、その後さらに長く神経をすり減らす交渉が待っている。精霊は自尊心が強くて気難しく、ちょっとやそっとではUrathaに心を許さない——パック・トーテムとなれば精霊自身にも利益があると納得させないかぎりは無理だ。Essenceを定期的に捧げる、その精霊のresonanceを支持する、他の捕食性の精霊から保護する、といった条件が定石として知られている。
W:tAのパック・トーテムは、どこか遠くにいる強大なインカーナやセレスティンと盟約を結び、それを受けいれた証として分身のジャグリングがパックの元に遣わされてくる、という、風情のない言い方をすれば派遣社員的な精霊だったわけだが、W:tFのパック・トーテムは個人契約の世界らしい。
Every pack totem is individual. The powerful spirits who represent entire species don't serve as pack totems. That is, Bear herself isn't going to play patron to a pack of Uratha, but Golden-Mother-Bear, a spirit of the western rivers, might share her wisdom and healing magic with them. Two packs who revere the same type of spirit don't necessarily have anything in common, while two packs who follow totems that seem antagonistic on the surface might actually share common goals. Hare and Fox might seem natural enemies, but if one pack follows Shrieking Hare, the spirit of wisdom through sacrifice, and the other follows Fox-Who-Watches, a spirit of wisdom mingled with cunning, the packs might find some common ground.
パック・トーテムはあくまで一個体である。ある種全体を代表するような強大な精霊はパック・トーテムにならない。つまり、〈熊〉の精霊がUrathaの一パックの庇護者となるようなことはないが、西の川に棲む〈金毛の母熊〉があるUrathaのパックに特に知恵を貸したり癒しの魔法を授けたりすることはありうる。同種の精霊をトーテムに頂くパック同士が必ずしも共感を抱くとはかぎらないが、敵同士とみえて実は相通じる目的をもっていることもある。たとえば兎をトーテムとするパックと狐をトーテムとするパックは天敵同士に思えるかもしれないが、かたや兎は兎でも自己犠牲を通じて叡智を求める〈悲鳴をあげる野兎〉、かたや狡猾さの中にも叡智を秘めた〈うかがう狐〉とあれば、パック同士なにがしかの共通基盤を見いだせるかもしれない。
W:tAでおなじみ、パック・トーテムのbanは健在のようだ。
Each spirit grants unique benefits and imposes a unique ban. The ban, like that imposed by the tribes, is a limitation on the pack's behavior. Although the pack is not mystically compelled to respect the ban, breaking it is a quick way to alienate the spirit and shatter the totemic bond.
パック・トーテムは独自の恩恵をいくつかと、一つの禁忌(ban)をもたらす。パック・トーテムの禁忌は、tribeによる禁忌とおなじく、パックの構成員にある種の言動を禁じるものである。禁忌には魔法的な強制力があるわけではないが、破ることはトーテム精霊との関係を悪化させ、ひいては契りの破棄につながりかねない。
W:tAで部族混成のパックを組む場合、トーテムはなにかと厄介だった。あちらのトーテムを選べばガルゥAがbanに引っかかり、こちらのトーテムではガルゥBが何もできなくなる、という事態になりがちなのだ。パックの個性や目的に合ったトーテムを選ぶというのが建前だが、実際にはどうしても比較的制約がゆるいトーテムで我慢するか、STがオリジナルトーテムを作ることを余儀なくさせられることが多かった。
W:tAの名誉のために述べておくなら、パック・トーテムをカスタマイズするルールはW:tAにも無かったわけではない。ただ、Banは精霊の種類によって固定だったので、いかにパックにぴったりなトーテムであってもbanの都合上選択できない、という場合がままあった(もちろんGolden Ruleを適用すればいい話だが、この日記をここまで読んでくれているような人にいまさら説明するまでもあるまい)。
W:tFではパック・トーテムを独立した精霊キャラクターとして作成できる柔軟なシステムが用意されており、いま届いた製品版を見るとBanそのものもカスタマイズできるようなので、そのへんはずいぶん楽になると思う。
![]()