【White Wolf Live Journal, 2005/4/14】
例によって、Justinが諸方面の進行状況を知らせてくれているのだが、たぶん目玉はMage: the Awakeningのコンセプトスケッチだろう。いったいどんなゲームになるんだ。
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【White Wolf Online, 2005/4/14】
4月13日19時(日本時間14日朝9時)、White Wolf公式サイトにて、『Werewolf: The Forsaken』のディベロッパーEthan Skempをゲストに迎えた公開チャットが開催された。W:tFのディベロッパー・チャットとしては2回目、W:tF発売後としては初めて、とあって、前回よりはルールや世界観に関する突っ込んだ質問が増えたようだ。すでに公式サイトやフォーラムで何度も説明されている事柄に関する質問も目立ったが、それだけ新規のユーザーの関心をも惹きつけている、ということなのかもしれない。
以下は公開されたチャットログの要約。今回は話題別にまとめてみた。
【精霊と精霊界に関する質問】
Q: stepping sideways(界渡り)をおこなう際、人口の多い市街地ほどGauntlet(ガントレット)が厚いとみなされてダイスプールに不利な修正がつきますね(W:tF p.250-251)。この考え方はW:tAから継承されたものですか?
A: たしかその修正は、WoDコアルールでghostが物質界に出現するときの判定修正(WoDコア p.210)に基づいて作ったんだ——まったく同じというわけではないが。Gauntlet修正はストーリーテラーが臨機応変に決めていいんだよ。「人口密集地ほど厚くなる」という基準はあくまで目安として設けたものだ。とっかかりは必要だからね。
Q: もしlocusが移動可能な物体の上にあったら、そのlocusを移動させることは可能ですか。
A: 通常は、一定範囲から外に出るとlocusとしての機能を停止する。locusはGauntletの薄い「場所」だ。それが動くとなると、かなり奇妙なことになる——まあ想像してみてくれ、移動可能なlocusを車に載せて高速道路をすっとばしたらどうなるか。時速130キロで動くGauntletの穴だぞ? まあいつも言ってることだけど、移動可能なlocusを使ったクールな設定を思いついても君のゲームで使っちゃいけないって言ってるわけじゃないからな。一般則を重んじるあまり興味深い例外の可能性を潰してしまうのはよくないよ……
Q: Urathaは特にGiftやriteを使わなくても、精霊を喰らってEssenceを回復できますか?
A: 現時点でそれに関するルールは作っていない。最初のブレインストーミングで話は出たが、あまりに安易すぎる気がしたんだ。精霊を喰ってもEssence回復できるのなら、人肉喰いの禁断の魅力が薄れてしまうからな。
Q: Harmony値の低いUrathaが、精霊のbanめいた言動を示しはじめる(W:tF p.180-)のはなぜですか? Harmonyが下がるというのは精霊界とのつながりを失っていくことでは?
A: 精霊界との絆自体を失うわけじゃないからさ。失われるのはむしろ、その絆をコントロールする力のほうだ。riteが難しくなるのも同じ理由だ。Harmony値が下がるにつれワーウルフが獣じみてくるのは事実だが、同時に精霊に近くもなっていくんだ。まあ端的に言うと映画の人狼っぽくなるわけだ——まじないの能力を失い、後先を考えなくなり、およそ人間ばなれした思考様式をとるようになってくる。映画といっても、「いい映画の」人狼だよ。単に超能力を持った人間が人狼でございって顔をしてるクズ作品のじゃない。
Q: conceptual spirit(概念精霊、W:tF p.280)は、自分を生みだした人間の後をついてまわるものなんでしょうか、それとも生まれた場所に執着するものなんでしょうか。Essenceはどちらから得ているのですか。例えば、ある殺人鬼を影界側から見れば負の感情の精霊をぞろぞろしょっている、なんてことはありますか。
A: conceptual spiritは、特定の場所や人物よりはむしろ自分を生みだした概念に執着する。だから、殺人から生まれた精霊は、犯人がまた殺人をやりそうなら後についていくだろう。もし犯行現場が地元の住民の間で「あの殺人が起きた場所」として有名になれば、その場にとどまるだろう。概念精霊をぞろぞろしょって歩いてるとしたら、そのサイコ野郎は相当大勢の人間を残忍な手口で殺したにちがいないね。
【Pure tribesに関する質問】
Q: Pure tribesを専門的に扱うサプリメントは出ますか?
A: そのうちにはね。予定はあるんだ。『Predators』の1章を割いたぐらいで片づけてしまうのはもったいない。もっとも、その1章の資料価値を後続のサプリメントが薄めるようなことにはしたくないが……
Q: 言うなれば『Players Guide to Garou』のPure tribe版を作るということでしょうか。その本にはPure tribeをプレイヤー・キャラクターとして遊べるようにするルールが載りますか?
A: そんなルール、新しく作るまでもないと思うがねえ。必要なルールは『Werewolf: The Forsaken』にちゃんと揃ってるはずだ。わざわざ『Werewolf: The Pure』とか銘打って基本ルールを作り直すほどのことはないよ。
Q: Pure tribesもForsakenと同様に、亡きFather Wolfの使命を代わりに果たそうと考えているのですか?
A: Pure tribesは、精霊界が物質界に干渉するのをやめさせようとはあまり考えない。そもそも精霊界から力を得ている身だからね。Lunaからの加護はなくても、もっと強大な古い諸霊が味方してくれる。Pureは精霊界の住人に対してあれこれうるさく指図しないから。
Q: Ivory Clawsのbanは何ですか? どこに書いてあるか見つからなくて。
A: Forsakenの血を引くワーウルフはIvory Clawsに入れない、というのがそれなんだが——思ったよりストーリーフックが作りにくいんで、今後修正するかもしれない。
【Bale Hound、Hostに関する質問】
Q: Bale Houndにauspiceはありますか。それとも精霊と契約を交わした時点で失われるのですか。
A: Bale Houndになってもauspiceは残る。LunaはForsakenが「悪の道に走った」からといって一度与えたauspiceをとりあげたりはしないようだ(そもそも、Lunaが意図して与えるものではないのかもしれないが)。auspiceはいわば相性のようなもので、捨てようと思えばそれなりの手間をかけなければならない。例えばPure tribeの参入儀礼とかね……
Q: HostとForsakenとの間で交渉や取引が行われる可能性はありますか? それともお互いの姿を見かけたらただちに殺し合う間柄ですか? UrathaがHostを脅して何かをやらせたりすることは考えられるでしょうか?
A: 交渉の余地はいつだってあるさ。ただ、Hostと取引するというのはかなり危なっかしい賭けだね。Hostはワーウルフとは異質な——およそ人間らしいとはいいがたい——思考形態をもっているし、精霊ほど予測しやすくもない。非人間的な思考形態という点では精霊に似ているが、Hostは人間の知識を吸収したり、ある程度人間をまねることを学んだりするからね。脳とか心臓を喰って。そうだな、交渉できないってことはないだろう。どちらかといえばCunningの範疇で、Wisdomに数えるにはほど遠いかな。たぶん、他のUrathaにはあまり知られたくないだろうし、相手のHostに好感なんてこれっぱかりも抱きはしないだろう。でもまあ、世の中何が起こるかわからないからな。
【形態に関する質問】
Q: Gauru形態(WtF p.172)では鉤爪より牙のほうがダメージ修正が大きくて明らかに有利です。血が有毒な怪物と戦うといった特殊な状況は別として、あえて鉤爪を使うべき理由はないのでは? リーチでは鉤爪のほうが有利だという意見は聞いたことがありますが、実際にリーチ差が問題になるような状況は発生するものでしょうか?
A: 僕が先週末にやったセッションでは、小学校の地下室の天井に張りついて頭上から襲ってくるAzluを登場させた。これは「リーチ差が重要になる状況」といえるんじゃないかな。単純に考えても鉤爪を使う戦術的利点はたくさんあるよ。例えばホラー映画でよくある、扉をたたき壊して中にいる奴に襲いかかる場面、これは牙では無理だよな。牙は敵にとどめをさすのに有効かもしれないが、古典的ワーウルフの恐ろしさはやはり鉤爪に負うところが大きいといえる。
Q: Hishu形態やUrhan形態のワーウルフの正体を看破しようと試みる場合、判定にペナルティがかかりますね(W:tF p.170, 173)。wolf-bloodedのUnseen Sense Meritは、HishuやUrhanに反応しますか?
A: 反応する。気づくかどうかの判定には通常どおりのペナルティがかかるよ。もっとも、そこはドラマを盛り上げるためにストーリーテラーが多少ごまかしをやってもいいんじゃないかと思うが。
【auspiceに関する質問】
Q: 月の満ち欠けは28日周期なのに、auspiceは5種類です。月齢によっては、どちらのauspiceに属するのか迷う場合があるのでは?
A: それはストーリーテラーの判断に任せるべき問題ではあるな。どこまでが半月でどこからが三日月か明確な線引きをするのは難しい——それに正確に半月の晩でないとElodothになれないってのもあんまりだ。僕はだいたい、新月、半月、満月の前後約3日間は、auspiceに関する限りそれぞれ新月や半月や満月とみなすようにしている。そもそも月の満ち欠け周期だってきっかり28日じゃないわけだしな。
【wolf-bloodedに関する質問】
Q: wolf-bloodedがUrathaを識別する(W:tF p.79)、あるいはUrathaがUrathaを識別する(p.180)ルールについては基本ルールブックに載っていますが、Urathaがwolf-bloodedを識別する際の処理については言及がありません。このような場合、STが状況に応じて判断すればいいのでしょうか。それとも、Wits + Primal Urgeで判定(wolf-bloodedはPrimal Urgeを持たないので実質上はWits判定)させたほうがいいのでしょうか。
A: 個人的見解としては、簡単には判らないようにすべきだと思う。ワーウルフ生活が楽になりすぎるのはよくないからね。僕なら、そういう場合は判定で処理せずに、正確な家系図を作るとか、地元の噂に日頃から耳を澄ませておくとか、希少なGiftやriteを使うとかしないと判断できないということにするかな。これなら「知られざる」wolf-bloodedがいても辻褄が合うし、判定すればわかってしまうという処理よりもかえって可能性の幅が広がる。
【今後のサプリメント展開に関する質問】
Q: 『Lore of the Forsaken』には何が載りますか?
A: 俺の血痕……というのは冗談で、おおまかに分けてauspiceの章、LunaやFirstbornといった主要トーテムの章、Giftとriteの章、それからlocusとawakenした物品とfetishの章、という構成になる。要はForsakenと精霊との関わりの実際面を扱うハンドブックだな。Forsakenが精霊に対して何をするのか、なぜそうするのか、その結果どういう問題が派生するか、って話をやる。結果だけでなく過程も重視して描くつもりだ。追加データも多少つけるが、どちらかといえばおまけだな。
Q: Ordo Draculの『Rites of the Dragon』やW:tAのガルゥの『Silver Record』のような、Urathaの起源が書かれた古文書風サプリメントが出たりしませんか。
A: 予定にはないが、あればいいかもしれないな。何通りもの始源神話を載せた分厚いやつとかね。ただ難しいのは、そういう「聖書的な」本、歴史に残るような書物を書き残すような傾向をワーウルフはあまり持ち合わせていないという点だ。自分たちについて本を書きたがるような連中ではないんだよ……(まあ作るんなら人間の皮で作った巻物とかだな(笑)。出版社のコメントが載ったりするのは見たくないね)
Q: シカゴ本(シカゴを題材にしたWoD都市設定資料集。近刊)は、ワーウルフ、ヴァンパイア、メイジの共通サプリメントになるそうですね。シカゴではワーウルフはどのような役回りを果たすのですか。また他種族とはどのようにかかわっていくのですか。
A: シカゴ本では「ネオ封建制」の最たるものをお見せできると思う——ほとんどの事柄はpack/coterie/cabalレベルで展開するんだ。だから「ワーウルフの」果たす役割というのは特にない——「あるパックが」果たす役割はあるかもしれないが。シカゴは三大種族がいずれ劣らぬ強い勢力を誇る都市のひとつという設定になっている。お互いに抗争でも休戦でもロマンスでも何だってできるようにね。大規模なクロスオーバー設定なのに相互関係に関しては「ワーウルフはヴァンパイアと戦争状態にある」など画一的なガイドラインをもうけるだけで済ませる悪い見本は作りたくない。それじゃ進歩どころか退化だからね……
Q: 『Hunting Ground: The Rockies』には、Gurdilagの仲間が登場しますか?
A: Gurdilagのようなidigam(W:tF p.36)に「仲間」などというものはいない。被害者ならまだそこらじゅうにいるけどな。
Q: V:tRの追加bloodline集のように、W:tFでも追加lodgeを集めた本は出ますか?
A: うん。『Lodges: The Faithful』という題で作る予定なんだが、なかなか興味深い読み物になりそうだ。lodge——ワーウルフの地方集団だったり、部族内派閥だったり、一種のカルト集団だったりするわけだが——に関する諸々を扱おうと思っている。クロニクルのための便利なツールや小粋なオプションを載せる余地はたっぷりあるよ。
Q: もしよければ、これまで言及されていないが制作予定に入っているサプリメントについて教えてください。
A:このあいだ 『Blasphemies』という本の契約を済ませたところだ。題名から敵キャラデータ集みたいなのを想像するかもしれないが、そうじゃない——そういう風に使うこともできるが、掲載されるツールは性質を異にするものだ。前々から温めている非常に型破りなアイデアがいくつかあってね。ぱっと見はたいしたことないように見えるんだ、少なくともゲームをはじめて最初の1〜2年ぐらいは。そこがミソでね。
Q: 一般的な精霊のデータとか、そういう精霊を作るためのアイデアとかを集めた汎用サプリメントがあったらいいなと思うんですが……
A: 初めからあまり専門的なサプリメントを出すのもどうかと思ったんだよ。精霊に関する情報を、あえて独立した本にせず『Predators』の大きな1章として収録したのはそういうわけだ。基本ルールブックp. 279掲載の精霊作成ルールはかなりしっかりした出来で、GiftをCharmとして流用しても問題ないようになっている。ストーリーテラー諸君が楽しく活用してくれれば僕としてもうれしい。そのうち大規模な精霊データ集を作ろうということになればもちろん使いでのある本にしたいが、それを待つまでもなくW:tF基本ルールと『Predators』だけでも遊べるネタはたっぷりあると思うよ。
Q: 新WoD第4弾のゲームが何を題材にしたものになるか、いろいろ憶測が飛びかっていますが……
A: はっきりしたことはまだ何も言えないけどね。ミーティングはもう何回となくやっているよ。ようやくおおまかな骨組みができて、それに肉付けする作業にとりかかったところだ……ゲームデザイナー版『イルーニュの巨人』とでもいうべき作業でね。いっとくが、第4弾が『イルーニュの巨人』だってわけじゃないからな。
Q: 以前にWoD汎用で『Book of Spirits』という本が出るという噂がありましたが、あれは没になったんですか?
A: いや、『Mage: The Awakening』が出るまで延期しようということになったんだ。Vampire、Werewolf、Mageの三大シリーズが出そろった後なら、そのどれとも確実に互換性をもつ本にできるし、そもそもWoD系列のサプリメントはそのために作っているものだから。
【言わずとしれた質問】
Q: Uratha、Hisil、各auspiceの名称といったW:tFのさまざまな用語はなにを基にしてるんですか。っていうか、そもそも何語?
A: もちろん、First Tongueさ! どういう文法でああいう単語が生まれるのかについては……まあ、今は言わないでおこうかな。まだ誰も推測しようとはしてないみたいだが、こちらから種明かしをする前に誰かに自力で「解読」してほしいからね。そのほうが面白いし。
Q: 『Mage: The Awakening』について何か情報を教えてくださいよ。
A: (Conrad Hubbardより回答)2005年8月リリースの予定です。詳しい内容についてはもうすぐ公開します。(Ethan Skempが付け加えて)旧Mageとはずいぶん違うゲームになってるよ。略称は同じだけどな。
Q: 現時点で、人狼以外の獣人を登場させる予定はありますか?
A: ないね。いまのところ、あえてそれに手を付ける理由は外見的なバリエーションを増やすという以外に見あたらないんだ。それだけじゃちょっとね……
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