骰子回転劇場・転|日記: 天才幼稚園児の憂鬱
骰子回転劇場にようこそ。このテキストが表示されている場合、お使いのブラウザではこのページをデザインどおりに表示することができません。快適に御覧いただくためには、より一般的なブラウザの最新版を利用されることをおすすめします。
Welcome to rollingtheatre.com, if you are seeing this text then you aren't viewing this page as was designed. The content will still be visable, but not laid out as intended. View using a standards compliant browser to enhance your browsing experiance.
骰子回転劇場 日記

天才幼稚園児の憂鬱

蒸し暑い駅のホームで電車を待っていたとき、隣のベンチからこんな会話が漏れ聞こえてきた。

「……不安には二種類ある。わかるかね? ひとつは……。もうひとつは先が不確定であるがゆえに起こる不安だ。君のケースはどちらにあてはまるかな?」と、老人の張りのある声。
「……」
「返事がないね?」詰問調になる老人。
「えっと……うーんと……」答える声は困惑気味だ。そして幼い。

横目でちらっと見てみると、幼稚園児ぐらいの男の子が老人と並んでちょこんと座っている。老人の孫だろうか。それにしては老人の話しかけ方が他人行儀だ。むしろ大学教授が学生に講義でもするような口調で懇々となにかを言い聞かせている。

だが、そこに座っているのは退屈した大学生ではなく困惑した幼稚園児である、という点に注目したいと思う。

たしかに今では幼児教育も進歩しているのだろうし名門小学校に入るために高度な受験勉強に励む幼稚園児もいるだろう。それにしてもそんな小さい子供に「不確定性」だの「不安には2種類ある」だのという抽象的理論を述べてはたして通じるものなのか。あまつさえ老人は、「君のケースでは」と自己分析さえ要求するのである。

いや、実はその幼稚園児は天才なのかもしれない。4、5歳にして「未来が不確定であるがゆえに」などという哲学的言辞に慣れしたしみ、caseどころかallantoicaseなんて高度な英語の語彙を操るのかもしれない。そうでなければ老人が、男の子が論理的な答を返してくるのが当然というような、あんな確信に満ちた表情で催促するはずがないではないか。

残念ながら、そこまで考えたとき電車が来てしまい、結局その子がどう答えたのかは聞けずじまいだった。

posted at 10:27 pm in 奇妙な日々

この記事へのトラックバックURL

»この記事にコメントをつける

このブログに初めてコメントされる場合、投稿内容がすぐには反映されないことがあります。管理人の承認後に表示されますので、しばらく経ってからチェックしてみてください。






プレビュー:


World of Darkness に関する海外ニュースを Professor がときに適当な翻訳でお届け。名前が日記なのは骰子回転劇場・転の日記コーナーだった名残。実質上WoD2.0対応の回転劇場なので改名検討中。