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骰子回転劇場 日記

White Wolf Quarterly, 2005秋号

M:tAwの箱の底に緩衝材よろしく詰めこまれていたのがQuarterly最新号。残念ながら緩衝材としては役立っていないようだが(M:tAwは角が傷んでいた)、新刊情報は満載だ。

  • World of Darkness: Chicago
    V:tMクランブック初版のスタイリッシュな表紙をてがけた、あのTim Bradstreetが帰ってくる! カバーイラストがこのQuarterlyの表紙にもなっていて、相変わらず格好いい。新WoDで初めてのクロスオーバーサプリメントということでWWも相当力を入れているようだ。約400頁。12月発売。
  • Invictus
    ヴァンパイア社会の仕組みの根本がよくわかる本になりそう。恩貸制やミッション達成の報酬などうやむやになりがちな部分に焦点があたる。またどうやらBlood Oathを洗練して魔力ある証文を作るシステムが追加されるようだ。224頁。11月発売。
  • Blood of the Wolf
    ワーウルフの身体はどういう風になっていて、世界はどのように見えているのか、人間として生活する上でどんな困難があるか、など日常に即した面を扱う「ワーウルフ体験」の本になるらしい。1章の概要が公開されている。144ページ。10/3発売
  • Lodge: The Faithful
    ディベロッパー・チャットでちらりと言及された、追加lodgeを集めたサプリメント。lodgeそのものの活用法についても解説されるようだ。基本ルールブックに掲載済みのものとの重複はなし。144ページ。11月発売。
  • Boston Unveiled
    M:tAwの都市設定資料集。もつれあう運命の糸、というのがテーマらしい。魔女裁判で名高いセイラムのご近所ということで、どういう設定を持ってくるか楽しみだ。144ページ、10/3発売。
  • Sanctum & Sigil
    M:tAwサプリメント第2弾。メイジの社会構造・階級・役職を扱う章と、Sanctumの用途や価値について解説する章に分かれるようだ。サンプルSanctumも例によって豊富に載るらしい。Seersなど敵役のSanctumのサンプルがあるのはSTにとって嬉しいところ。160ページ、12月発売。

他に、公式ホームページのリリーススケジュールに載っていない近刊としては

  • 2006年1月
    • Bloodlines: The Legendary(V:tR、Bloodline本第2弾)
    • Legacies: The Sublime(M:tAw、Legacy本第1弾)
    • Chicago: Three Shades of Night(WoDフィクション)
  • 2006年2月
    • Blasphemies(W:tF)
    • World of Darkness: Armory(WoD汎用)
  • 2006年3月
    • Requiem Chronicler's Guide(V:tR)
    • Guardians of the Veil(M:tAw、Order本第1弾)

がある。

非WoD系ではExalted第2版が来年2月発売ということで見開き広告を打っているほか、Pendragon第5版が目立たないながら着々と12月発売に向けて制作が進んでいるようで、Greg Stafordが書いたサンプルシナリオが載っている。

M:tAwキャラクターシートPDF版が公開

White Wolf Online, 2005/8/30
昨日発売された『Mage: The Awakening』のPDF版キャラクターシートが公開されている。ついでにWhite Wolf Onlineトップページもメイジ仕様に。夏もそろそろ終わりだというのにえらくトロピカルなサイトになった。

『Mage: The Awakening』到着!

ほぼM:tAw1冊ぶんに相当する特急便料金を払った甲斐あって、本日発売日に無事届く。インボイスはなぜだか同じのが3枚も入ってるわ、いたるところに「至急! 超急送品! 29日必着!」と赤で書き殴られているわ、ものものしい梱包である。

さて期待の現物だが、

美しい。厚い。重い。

White Wolf社のオンラインカタログの表紙写真と比べると、実物のほうが青みが深い。V:tR、W:tFと同じ銀色の光沢紙だが、これが海をイメージした表紙イラストに実によく似合うのだ。

さらに光の角度によって五芒星をモチーフにした魔法陣(M:tAwのTシャツにプリントされているのと同じ柄)が淡い影のように浮かびあがる特殊印刷を施す凝りよう。

本文は全体に知的で古風な感じのフォントづかいで、かなり読みやすそう。ちなみにV:tRの本文は赤黒二色刷、W:tFは茶黒二色刷だったが、M:tAwのアートディレクターはさらにぶっちぎれたことをやらかしてくれた。

本文はゴールドと黒の二色刷り。

Orderの紋章も、ノンブルも、章題も、すべて金色。囲み記事にいたっては本文まで金色刷りだ。まぶしいぜ。

特に、巻頭小説のラストはモノクロームの頁の中で

I can do anything.

という短い一言だけが金色で印刷されているのがなんとも印象深い。

Lancea Sanctum とは何の意味?

JGC帰りの友若さんからワールド・オブ・ダークネストークショーの模様を伺ったのだが、

・LANCEAは日本語訳する時は「ランシアの聖域」にする予定です。なぜかというと、LANCEAって植物名なんですが、和名は「ふぐり」とか言うらしんで……——「インド人の右の俳諧老人」より、トークショー発言概要抜粋

出演者ご本人としては冗談のつもりだったのだろう、冗談にちがいない、とは思うのだが、本気にしている人がいるようなのでサプリメント『Lancea Sanctum』から次のくだりを紹介しておく。

槍の家
The Home of the Lance

 このコブナントは名前のせいでしばしば趣旨を誤解されている。名前がランケア・サンクトゥム(ランケアはラテン語で「槍」の意)だからといって、このコブナントはべつに「我こそはロンギヌスの聖槍なり」と自認しているわけではない。そもそもランケア・サンクトゥムとは「槍の聖所」の意味なのだ。あくまでもロンギヌスの教会であって武器ではなく、偉大な聖遺物を守る器であって聖遺物そのものではない。このコブナントの血族は自分のことを、神の裁きや報いをもたらす闇の天使というよりむしろ、ロンギヌスの呪いと知識の継承者、啓示の器だと考えている。神は常に人間を……そして、かつて人間だった怪物をも試しつづける、という啓示の。

もっとも、こんな区別にこだわるのは当のランケア・サンクトゥムくらいのものだ(その内部にさえ趣旨をはき違える狂信者がいるくらいだ)。彼らが神の道具を自認している、という誤った認識は、外部から格好の攻撃材料としてあげつらわれてきた。誤解とはいえ、呪われし者たちの間に広く浸透した誤解にはちがいない……

Many Kindred confuse the name of this covenant with its true intent. The name “Lancea Sanctum” does not, in fact, mean that the covenant believes itself to be the weapon itself. Rather, the name of the covenant means “sanctuary of the lance.” The Lancea Sanctum is the Church of Longinus, not his weapon; the covenant is the reliquary for this potent instrument, not the instrument itself. Kindred of the covenant do not see themselves as instruments of divine justice, retribution or anything of the ilk. Rather, they consider themselves inheritors of Longinus’ sin and knowledge, the vessel of a divine secret: that God is forever testing the mortals…and those monsters who were once mortal themselves.

Of course, much of this distinction is wasted on those outside the covenant (and even a few misguided fanatics in it). Those who would discredit the covenant by making aggrandized claims of its own self-importance have leapt to an incorrect assumption. Nevertheless, it is an assumption that pervades the society of the Damned….——『Lancea Sanctum』p.24

この本には和名「ふぐり」なる植物Lanceaなどまったく登場しない。したがってLancea Sanctumという名が男性股間の局所を暗示しているなどということはない。ご婦人方もどうか安心してランケアランケアと連発していただきたい。

ちなみに友若氏のブログでは「ランシア」と表記されているが、Lancea Sanctumは

...many elders and traditionalists of the covenant, who prefer use the Latin "Lancea Sanctum"....——『Vampire: The Requiem』p.57

とV:tR基本ルールにも書かれているようにラテン語であって、古典ラテン語において c は常に [k] と発音する。V:tR日本語版では固有名詞の発音表記を英語読みにするのだろうか。それとももしかして時代によって [s] と読むことがあるのだろうか? ラテン語に詳しい人がいらっしゃったらご教授ねがいたい。

なお、なぜ専用サプリメントにわざわざコブナント名の意味などという基本的な情報が出ているかというと、V:tR基本ルールではLancea Sanctumという言葉そのものの意味について説明がなかったために「聖なる槍」のことだと勘違いしたあるファンが「聖なる槍って書きたかったんならラテン語間違ってるぜ! 恥ずかしいから早く直せよ!」と公式フォーラムで批判し、Justin Achilli自ら「あれは『槍の聖域』って意味だ。ゆえにラテン語としては間違ってない。専門家にも問い合わせた結果あの表記になった」と反論に出る騒ぎになったからだと思われる。

当時Justinがフォーラムで愚痴ったところによれば、「ラテン語で『槍の聖域』は何というのか、ラテン語の専門家3人に聞いたら、全員が違う答えを返してきたうえに全員が『俺が100%正しい』と言い張るんだ。仕方がないのでラテン語の知識があるライター3人にも訊ねてみたら、これまた別の3通りの答えが返ってきた。参ったよ」とのこと。

VtR小説『A Hunger Like Fire』、DriveThruで無料DLキャンペーン

まあ書籍版もペーパーバックですから700円ちょっと、いまどきの下手な日本語の文庫本より安いのですが、せっかくただだし。

V:tR日本語版も近々出るという話ですから、これで雰囲気を予習するのもいいのでは。

『Blood of the Wolf』プレオーダー開始

White Wolf Online Catalog

おおむね毛ボウボウかグロゲロであるWerewolfシリーズにしては珍しくエロチック(?)な表紙であります。プレイヤーズガイド的な位置づけということで10/3の発売が楽しみですよ。

家人にわざわざ海外から洋物のエロ本とりよせてると思われたらどうしよう。

『ワールド・オブ・ダークネス』と英語版エラッタ

日本語版を手に入れた友人に話を聞いたところ、どうやら日本語版の底本は、1月にWhite Wolfが公表したエラッタが適用される前のバージョンを使っているようだ。

べつに適用しなかったらシステムが回らないとかいう致命的なレベルの誤りはないし、そもそも頻繁に使う部分でもないのだが、英語版の重版分ではいろいろ直っているらしいので、どこが変更されたのか混乱しないように眺めておくのもいいかもしれない。

White Wolf本家のサイトでもアーカイブの奥深く埋もれてしまっているので、自分のためのメモも兼ねてまとめリンクを張っておきます。

『ワールド・オブ・ダークネス』日本語版発売

昨年8月から世界設定とシステムを一新して新展開をはじめた、ワールド・オブ・ダークネスの基本ルール(コアルール)、いよいよ日本語版が出ましたね。この日記で「WoD2.0」や「新WoD」と呼んで紹介してきたシリーズを日本で遊ぶのに、敷居が下がったことは良かったと思います。

某所では世界観の不在とか、クトゥルフとの対比とかであんまりいいことを言われていないので悲しくなりますが、この『ワールド・オブ・ダークネス』は、「Vampire: The Requiem」「Werewolf: The Forsaken」「Mage: The Awakening」というWoD3シリーズに共通となる基本ルール集で、いうなればガープス・ベーシック、あるいはD&Dのプレイヤーズ・ハンドブックのようなものです。だから世界観についてこれといって何も書いていないのは、いうなれば仕様です。ガープス・ベーシックに背景世界の設定とか期待する人いませんよね。

とはいえ前半部分には思わせぶりなイメージテキストの断片がいろいろ入ってるじゃないか、あれは世界設定じゃないのか、と思われる人もいるかもしれませんが、

冒頭のイメージテキスト群は、Vampire/Werewolf/Mage、いずれの世界設定にも、まったくもって何の関係もありません。

現在出版されているWoD2.0全サプリメント、どこを見てもあの話を使っているところは見あたりませんでした。まあ、あのわけのわからない機械の神とかは背景設定にとりいれると面白いゲームになりそうですが、覚えないと困るということはないです。

じゃああれは何のために書いてあるのかというと、ワールド・オブ・ダークネスシリーズはこんな雰囲気のゲームをすることを目指しているTRPGだよ、コアだけでも「たとえば」こんな物語を語ることができるよ、という、言うなればイメージサンプルみたいなものじゃないかと思います。

そのサンプルを読むかぎり、ホラーTRPGといってもWoDが目指しているのは、クトゥルフよりももっと最近の作家、キングやクーンツやバーカーや、その辺が書いているモダンホラーの雰囲気であるように感じられます。

たしかに、V:tRやW:tFにはクトゥルフを彷彿とさせる設定も登場しますが、どちらかというとクトゥルフ的なゲームをするためというより、設定の一部を偉大なホラー作品へのオマージュに捧げた、という印象です。

そうはいってもコアルールには人間と幽霊と超常能力のルールだけしか出てこないし、V:tRやW:tFを買わないと何もできないのか、というと、R&Rに載ったリプレイが示しているように、けっしてそうではないのです。

新WoDにはVampire/Werewolf/Mageのほかにもう一つ、タイトルが『World of Darkness: 〜』で始まる汎用サプリメントシリーズがあります。他のシリーズとは視点を変えて、人間PCを主人公に据えたホラーを楽しむためのシナリオ集や背景設定集なのですが、シナリオや舞台設定にとりあげるネタの目の付けどころが尋常ではなく、毎回「おおお、そう来たか!」と意表を突かれます。システム的にはコアルールに載ってるものしか使わないので運用も楽です。

英語版なので万人むきとは言えませんが、コアルールに対する見方が変わってくるので、ぜひ一読をおすすめしたく。現在発売されているWoD汎用シリーズは、以下の3冊。


World of Darkness に関する海外ニュースを Professor がときに適当な翻訳でお届け。名前が日記なのは骰子回転劇場・転の日記コーナーだった名残。実質上WoD2.0対応の回転劇場なので改名検討中。