JGC帰りの友若さんからワールド・オブ・ダークネストークショーの模様を伺ったのだが、
・LANCEAは日本語訳する時は「ランシアの聖域」にする予定です。なぜかというと、LANCEAって植物名なんですが、和名は「ふぐり」とか言うらしんで……——「インド人の右の俳諧老人」より、トークショー発言概要抜粋
出演者ご本人としては冗談のつもりだったのだろう、冗談にちがいない、とは思うのだが、本気にしている人がいるようなのでサプリメント『Lancea Sanctum』から次のくだりを紹介しておく。
槍の家
The Home of the Lance
このコブナントは名前のせいでしばしば趣旨を誤解されている。名前がランケア・サンクトゥム(ランケアはラテン語で「槍」の意)だからといって、このコブナントはべつに「我こそはロンギヌスの聖槍なり」と自認しているわけではない。そもそもランケア・サンクトゥムとは「槍の聖所」の意味なのだ。あくまでもロンギヌスの教会であって武器ではなく、偉大な聖遺物を守る器であって聖遺物そのものではない。このコブナントの血族は自分のことを、神の裁きや報いをもたらす闇の天使というよりむしろ、ロンギヌスの呪いと知識の継承者、啓示の器だと考えている。神は常に人間を……そして、かつて人間だった怪物をも試しつづける、という啓示の。
もっとも、こんな区別にこだわるのは当のランケア・サンクトゥムくらいのものだ(その内部にさえ趣旨をはき違える狂信者がいるくらいだ)。彼らが神の道具を自認している、という誤った認識は、外部から格好の攻撃材料としてあげつらわれてきた。誤解とはいえ、呪われし者たちの間に広く浸透した誤解にはちがいない……
Many Kindred confuse the name of this covenant with its true intent. The name “Lancea Sanctum” does not, in fact, mean that the covenant believes itself to be the weapon itself. Rather, the name of the covenant means “sanctuary of the lance.” The Lancea Sanctum is the Church of Longinus, not his weapon; the covenant is the reliquary for this potent instrument, not the instrument itself. Kindred of the covenant do not see themselves as instruments of divine justice, retribution or anything of the ilk. Rather, they consider themselves inheritors of Longinus’ sin and knowledge, the vessel of a divine secret: that God is forever testing the mortals…and those monsters who were once mortal themselves.
Of course, much of this distinction is wasted on those outside the covenant (and even a few misguided fanatics in it). Those who would discredit the covenant by making aggrandized claims of its own self-importance have leapt to an incorrect assumption. Nevertheless, it is an assumption that pervades the society of the Damned….——『Lancea Sanctum』p.24
この本には和名「ふぐり」なる植物Lanceaなどまったく登場しない。したがってLancea Sanctumという名が男性股間の局所を暗示しているなどということはない。ご婦人方もどうか安心してランケアランケアと連発していただきたい。
ちなみに友若氏のブログでは「ランシア」と表記されているが、Lancea Sanctumは
...many elders and traditionalists of the covenant, who prefer use the Latin "Lancea Sanctum"....——『Vampire: The Requiem』p.57
とV:tR基本ルールにも書かれているようにラテン語であって、古典ラテン語において c は常に [k] と発音する。V:tR日本語版では固有名詞の発音表記を英語読みにするのだろうか。それとももしかして時代によって [s] と読むことがあるのだろうか? ラテン語に詳しい人がいらっしゃったらご教授ねがいたい。
なお、なぜ専用サプリメントにわざわざコブナント名の意味などという基本的な情報が出ているかというと、V:tR基本ルールではLancea Sanctumという言葉そのものの意味について説明がなかったために「聖なる槍」のことだと勘違いしたあるファンが「聖なる槍って書きたかったんならラテン語間違ってるぜ! 恥ずかしいから早く直せよ!」と公式フォーラムで批判し、Justin Achilli自ら「あれは『槍の聖域』って意味だ。ゆえにラテン語としては間違ってない。専門家にも問い合わせた結果あの表記になった」と反論に出る騒ぎになったからだと思われる。
当時Justinがフォーラムで愚痴ったところによれば、「ラテン語で『槍の聖域』は何というのか、ラテン語の専門家3人に聞いたら、全員が違う答えを返してきたうえに全員が『俺が100%正しい』と言い張るんだ。仕方がないのでラテン語の知識があるライター3人にも訊ねてみたら、これまた別の3通りの答えが返ってきた。参ったよ」とのこと。
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[nWoD]男たちの聖域
LANCEAについて 詳しくは教授のブログを読んでください。 [http://www.rollingtheatre.com/blog/050829_1059.p... 続き... - Trackback from インド人の右の俳諧老人 august 29, 2005 10:01 pm
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