骰子回転劇場・転|日記: ウラサにモラルはないのか
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骰子回転劇場 日記

ウラサにモラルはないのか

W:tFルールブックの記述と正反対をこれから書こうと思う。

p.180「Morality — Harmony」を読んで、特に違和感を感じることもなく納得できた人なら、この先を読むのはむしろ有害かもしれない。

When the First Change comes, a werewolf suddenly begins see the world through different eyes. (中略)Human laws and morals no longer seem quite appropriate.

最初の変身を経験したワーウルフの目には、世の中がふいにこれまでと全く違った目で見えてくる。人間の法律や道徳が正しいとはまるで思えなくなってしまうのだ。—— Werewolf: The Forsaken, p.180

ワーウルフには生来、人間と異質の倫理観が備わっている、と基本ルールは言う。システム上は、人間の道徳意識の高さを示す特性値Moralityを、種族固有のHarmonyに置き換えることで表現される。

だが、ほんとうに人間としてのモラルは消えてなくなるのか? ワーウルフはほんとうに、人の心を失った化け物なのだろうか? 

私は、それは違う、と思う。

MoralityとHarmonyは、高いほどいわゆる正や善に近い存在になり、低いとNPC化する危険がある点で共通している。先に道徳意識という言葉を使ったが、「道徳上の善悪正邪を自覚的に知り、正や善を志向する心(大辞林)」という定義からすると、Morality/Harmonyは「道徳意識」と呼んで差し支えないようにも思える。

だが、次の事実をどう考えればいいのか。

ワーウルフには大別してForsaken、Pure tribes、Bale Houndsがおり、どれもMoralityの代わりにHarmonyを使い、罪の基準も共通だ。しかしPure tribesはForsaken撲滅=ワーウルフ殺しを正義と唱え、Bale Houndsは好んで裏切りや同族相姦をそそのかす。どちらもHarmonyの基準からいえば罪にあたる。

つまり、ワーウルフが志向する正義や善はHarmonyが示す「罪の階梯」としばしば乖離する、という事実がある。また、各種儀式の成功判定にHarmonyを使うという点も腑に落ちない。

従って、Harmonyは必ずしもウラサ版のMoralityと言えない、と考えられる。おもうに、主観的な道徳意識の高さというより、Forsaken社会から見てどれぐらい逸脱した存在かという客観的な基準と考えたほうがしっくりくるのではないか。

個人がそれぞれの倫理観念に基づいて行動した結果が、Harmonyの上下として現れる。何を正義として信じようが、良心がとがめようがとがめまいが、同族を殺せばそれはHarmonyに触れる罪なのだ。Harmonyの低下は、その結果Forsaken社会の基準に照らして自分がいかにはた迷惑な、見下げ果てた存在になったかという反映であって、罪悪感の麻痺や正気度ではない。

畢竟、何を信じ、何を正義や善として振る舞うかは、キャラクター次第なのだ。それを決めるのが、ワーウルフになったときキャラシートから消滅したMoralityではないだろうか。消えたのではなく、ルールで縛る必要のないファクターとして。

posted at 11:17 pm in W:tF

「ウラサにモラルはないのか」へのコメント

1

確かに、Pure等の考え方を分析することが、Harmonyに対する重要な示唆になりそうですね。
僕もその部分を少し考えてみようと思います。

「Harmonyに違和感を感じる」などと言い出すと、
一般のゲーム感覚からいうと背信と思う人もいるかもしれませんが、
そこを割り切らないことが逆に、ウラサという種族を読み解くことに直接つながっている、
そんなW:tFというゲームをいとおしく、誇らしく思います。
本当に面白いゲームですね。

- Comment by coyoteD20 at may 16, 2006 10:21 pm
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World of Darkness に関する海外ニュースを Professor がときに適当な翻訳でお届け。名前が日記なのは骰子回転劇場・転の日記コーナーだった名残。実質上WoD2.0対応の回転劇場なので改名検討中。