オンラインセッションでは、キャラクターの空間的位置関係を文章から読み取るしかないため、ときおり珍妙な齟齬が生じる。相手が部屋の反対側に立っているという描写を見落とし、すぐ隣にいるつもりで肩を叩こうとして空振りする、とか。ドラマチックな場面でこの手の勘違いが起きると、プレイヤーとSTは半笑いで一刻も早くその場面が記憶から薄れることを祈るしかない。これではストーリーテリング・ゲームもかたなしだ。
V:tRデモクロニクルのSTをやった折に、力技で解決を試みたことがある。ドローソフトで方眼マップとPC駒を描いてWebサイトにJPEGで書き出し、PLには「Aの1に移動する」などとチェスよろしく枡目を指定してもらい、それに応じて私がマップを描き直してサイト上の画像を更新するのだ。見やすいと好評だったが私は死ぬかと思った。
ところが、最近そんな苦労を帳消しにしてくれるWebサービスを見つけた。普通のWebブラウザとFlash 9プラグインがあれば何もインストールせずに使えて、しかも無料だ。
これはもともとTRPGとは縁もゆかりもないWeb会議システムで、チャット機能もあるのだが一番のウリはチャット参加者同士で仮想デスクトップを共有できることだ。
スクリーンショットにも見えているように、ログインするとブラウザ内に大きな白い仮想デスクトップが現れる。自分のパソコンからWord書類やExcel書類、JPEGやPDFをアップロードすると、即座に他の参加者にも見えるようになる。しかもそれをマウスでドラッグして動かしたり、重なり順を指定することができ、操作結果はリアルタイムで他の参加者の仮想デスクトップに反映される。
つまり、コマとマップの画像をアップしておいて、キャラクターが移動するときはPLに自分でコマを動かしてもらえる。スクリーンショットではたまたま前に描いた奴が残っていたから方眼マップを敷いているが、その辺の無料素材サイトから適当なアイコンを拾ってきてアップするだけでも位置関係を図示するには十分だろう。距離は厳密に管理しないほうが都合が良いときもあることだし。
さらにこの仮想デスクトップは、ホワイトボード機能も付いている。ペンツールで直接線を引いたり丸で囲んだり、キャラの駒に付箋を貼り付けてステータスを書き込んだりもできる。
チャット機能は日本語環境では不安定であまりテストできなかったが、チャイムを鳴らして参加者全員に注目を呼びかけるボタンがついているのが面白い。メインのチャットはIRCで、マップの管理はVyew.comで、と使い分ければじゅうぶん実用に耐えるだろう。
英語サイトだが登録は名前とメールアドレスとパスワードを入力するだけでとても簡単。登録すると自分の仮想デスクトップ用のIDが発行されるので、チャットに参加してもらいたい人にそのIDを教えれば、その人はトップページでIDを入力するだけで登録の必要もなくチャットに入れる。IRC仲間を招待して試してもらったかぎり、オンラインセッション用にSTが登録してPLを招待するという形で特に問題なく使えそうだ。
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