東京滞在3日目、帰阪の日。昨日、土砂降りの渋谷を歩き回ったのが病みあがりの体に思いのほか堪えたらしく、夕方早くホテルに戻ってから夕食もろくに摂らずに死んだように眠りこけて朝を迎える。よほど予定を繰り上げて早めに帰ろうかと思ったが、「東京行きの機会があれば絶対行く」と決めた場所がもう1件残っていた。
JR吉祥寺駅の北西、中道通商店街を歩いていって、大きな公園を越えたあたりにひっそりとある。実用的な文房具も置いてあるが(ロディアの新型がもう入っているのには驚いた)、メインはイタリアなどから買い付けたアンティークな版画・羽ペン・スタンプ・ガラス細工やミニチュアなどの雑貨で、店長に声をかければその商品の「いわれ」を教えてくれる。「商品ひとつひとつに物語がある骨董屋」なんて小説や漫画にしか出てこないもの、と思ったが、本当にあったのだ。
店長が聞かせてくれた物語の数々については「続きを読む」からどうぞ(写真はすべてクリックで拡大します)。
羽ペンひとつとっても色々種類がある。ガチョウ羽やキジの羽、ペン先も昔ながらの軸をナイフで削って使うものから金属製のペン先を填めて使うものまで。値段も比較的手頃なので土産にしようと漁っていると、店長が言う。
「使われる方は右利きですか、左利きですか?」
羽の毛の長い側が手元に来るように持つのが正しい向きなのだそうだ。従って、右利きなら右の翼から、左利きなら左の翼から採った風切り羽根を使う。羽ペンなら一度どこかで買ったことがあるが、あんなに書きにくかったのは向きのせいだったのか。
戦利品その1。パラケルススの四大元素理論に基づいて調合された4色インキ。ラベルは実際にそのインキを使って描かれたもの。羽ペンは荷物に入れると潰れそうだったので金属ペンを購入。蜥蜴がサラマンドラっぽくて良い感じ。
「錬金術に興味がおありなら、こんなものもありますよ」と豆本の中から店主が取りだしてくれたのがこの「Piccola Smorfia」。カバラの数秘術辞典のようなもので、様々な事物と数字の照応表がわずか2センチ角の本にぎっしりと書き連ねてある。
「16世紀頃のイタリアではどの家庭にも、聖書と一緒にこれが必ず置いてあったそうですよ」と店主は言う。日本でいう縁起暦のようなものだろうか。
Piccola Smorfia を開いたところ。指とのサイズ対比をご覧あれ。ほんの2センチ角ほどだが、きちんとした革装で題名は箔押し。「カバラ」に対応する数字は「33」らしい。物凄く欲しかったのだが予算オーバーのため写真だけ撮らせていただきました。
戦利品その2「貴婦人の手」。かなりずっしりした金属製。手はバネ式クリップになっていて、読みかけの本にしおり代わりに挟むことができる。
モレスキン手帳に挟んでみた。貴婦人が読みかけの本を片手で押さえている形になる。このモチーフは19世紀イタリアで好まれたものだそうだ。現在ではブックストッパーなんて近代的なものもあるけれど。できれば2個欲しかった。
ちなみに店主はいま、チェコのプラハでゴーレムに関する品を探しているとのこと。なんだか Promethean: The Created のお導きのような気がしてきた。探索の成功をお祈りして店を出る。
すぐ傍にある自家焙煎珈琲の店。コーヒー豆を煎る匂いが漂ってきて思わずふらふらと入ってしまった。読書しながらのんびりするのに良さそうな感じ(実際、店内の客のかなりの割合が本を広げていた。そうしたくなるような雰囲気がここにはある)
中道通商店街の道ばたで発見。ジョージさんA型って。マイケルさんO型とかトミーさんB型もいるのか知りたかったが、コースを食えるほど腹が減ってなかったので見送り。
途中にVillage Vanguard Dinerもあり。休日のせいか昼時をだいぶ回っても行列でしたが。
のんびり散歩するには良い界隈です。
![]()
![]()
![]()