最初なので、まず何も修正が入らない、ルールブックに書いてあるとおりのダイスプールで判定できる状況を設定してみる。
課題:朝起きて、誰もいない部屋で、自分に shielding spell をかけなさい。
shielding spell というのは、Armor 値を上昇させて敵の攻撃成功率を下げる呪文(spell)の総称。どの Arcana にも、効果は少しずつ違うがよく似た呪文が存在する。呪文名からは判別しにくいが、ここではとりあえず「2ドットで、Practice: Shielding と書いてあって、効果に Armor 値が増える云々と書いてある呪文」と思ってもらえばいい。
課題を実践するにあたって、サンプルキャラクターとして26歳独身メイジ、ラール君に登場願おう(→キャラデータ)。数値は基本ルールの記述どおり作成した直後のものだ。
では彼がどんな shielding spell を使えるのか見てみよう。メイジは基本的に、ルールブック掲載の呪文のうち、Arcana ドット数が自分の Arcanaドット数以下の呪文をすべて使える。ラールが修得済みの Arcana は Space 3、Mind 2、Prime 1。Shielding spell は最低2ドット呪文なので、ラールの手に負えそうなのは Space 2 の「Untouchable (p.235)」か、 Mind 2 の「Misperception (p.209)」というところだ。ここは Untouchable を使ってみよう。空間をわずかに歪曲させて攻撃をそらす呪文だ。
やり方は色々あるが、今回は Improvised Casting を使う。これはいわば経験と勘で魔法を制御するやり方で、呪文のドット数に自分のArcanaドット数が足りてさえいれば使える、いちばん基本的な Casting だ。
さてルールブックを見ると「◯◯Rote: 〜」の下にダイスプールらしきものが書いてあるが、今回は無視していい。Improvised Castingの際は、どんな呪文を唱えようが、基本ダイスプールは一律
術者のGnosis + Arcana
となる。
今回の人身御供、ラール君の Gnosis は 1。Arcana は3種類あるが、Untouchable は Space の呪文なので Space の値を用いればいい。したがって呪文の発動判定のダイスプールは、1+3=4となる。
呪文に取りかかってから効果が現れるまでどれくらいかかるのか? それを知るには 呪文データの「Action:」を見る。Untouchable のように
Action: Instant
となっていたら、その呪文は 1 instant action。つまり使ったターンに判定し、判定1回で即座に成否がわかるということだ。
ではおもむろにダイスを振って成功したとしよう。「術者の Space Arcanum の値だけ Armor が上昇する」と書いてあるので、ラールの場合だと +3。もともと Defense は 2 あるから、この状態の彼に例えばふつうに拳やナイフで襲いかかろうとすると、攻撃判定になんと−5ものペナルティがつく。駆け出しの魔法使いがかけた防護としてはなかなか心強い。
この呪文にかぎらず shielding spell はすべて、ふつうにかければ特に何も消費しないで1シーンのあいだ有効なのだが、Mana 1点を余計に支払ってかけると丸1日有効になる。作りたてのキャラクターでも使える比較的初歩の呪文でもあるため、毎朝自分に shielding spell をかけるのはメイジの間でごく一般的な習慣なのだそうだ。
![]()