
Changeling: The Lost では「誓い」が非常に大きな意味を持っていて、チェンジリングが何かに掛けて誓うとひとたび口に出せばそれは呪的拘束力を持つ。デモシナリオも誓いと裏切りを題材にしたものだった。そんなことを考えながら山手線の電車に座っていると、たまたま目の前に立った中年男が広げて折り返した新聞の広告欄が目に入った。
誓いの精神史 中世ヨーロッパの〈ことば〉と〈こころ〉 (講談社選書メチエ)
共時性というかセレンディピティとはまさにこのことだ。新聞広告に出るぐらいだから本屋にも新刊で入っているに違いないと吉祥寺パルコの地下で探したら案の定あった。
守るべきは誓った「言葉」か「精神」か。決闘の勝ち負けで裁判が決する根拠がどこにあるのか。中世ヨーロッパ人にとっての誓いは、日本人が連想する「約束」という行為にとどまらず、法や裁判、王権の根底にまで及んでいることが判って興味深い。誓いの呪的拘束力については期待したほど言及がなかったが、決闘審判の制度があるMage: The Awakening や、ヴァンパイア:ザ・マスカレードのサバト、相互に誓いを立てることで仲間の結束を固めるPromethean: The Createdなどにも参考資料として通用しそうだ。
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エリック・マコーマックの短編集『隠し部屋を査察して』より。
「わたしはつぎはぎだらけ。とてもみにくかったので、人にじろじろ見られないようにするために、自分のまわりに壁をはりめぐらさなければならなかった。(中略)おかげで美しくなれたけど、(中略)いつでも私を落ち込ませるの。 だからこの町にやってきた。この場所に住むことを選んだような人なら、よろこんで私を愛してくれるのではないかと思って。でも彼らは、わたしをとてもよくできた等身大のダッチワイフとして使うだけで、人間の女として扱ってくれないの」——「町の長い一日」
プロメシアンのGalateidも、しばしばこういう悲哀を味わっているのだろう。
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» 『ドラッケンフェルズ』復刊リクエスト投票ページ(復刊ドットコム)
キム・ニューマンの『ドラキュラ紀元』3部作に出てきたジュヌヴィエーヴが(若干設定は違うとはいえ)登場する小説ならぜひ読んでみたいと、ずいぶん前に投票したのだが、まさか98票も集まるとは。ここまでくると欲がでてくるなあ。
あと2人どなたか投票してあげてください。
ここで写真付きの書評が読めます。
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W:tA用資料として読む。イロコイ族の血を引く著者が先祖から口承で受け継いだ一族の歴史の物語。海を越え〈大いなる島〉に渡り、険しい峡谷や砂漠や大草原を横断して、五大湖のほとりに安住の地を見つけるまでが語られる。
著者はこれを、ネイティブ・アメリカンがユーラシア大陸からベーリング陸橋を渡ってアメリカ大陸に渡ったモンゴロイドの子孫であるとする説を裏づけるものと考えているようだ。真偽はともかく、W:tAではウクテナ、ウェンディゴ、クロアタンら《無垢なる民/Pure Ones》がワームの汚染から逃れるために人々を率いてベーリング陸橋を渡りアメリカに至った、とされているから(W:tA日本語版 p.50。『Rage Across New York』に詳しい経緯あり)、それと重ね合わせて読むと非常に楽しい。また、序文やあとがきでイロコイ族の語り部の訓練について触れられており、ガリアルドが受ける訓練についても想像が膨らむ。
唯一の難点は、きわめて頭の悪い訳註がついているため、うっかりそっちを読んでしまうと興ざめすること。巻末の原注以外は読まなくていい。
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V:tRデモクロニクルではどうもヴードゥーを避けては通れないようなので、ストーリーテリング資料としてきちんと本を読むことにした。カリブ海近辺はあまり関心がなかったので、ヴードゥー関連の本といえば昔『蛇と虹—ゾンビの謎に挑む』を読んだっきりで、これも真面目なヴードゥーの本ではあるが主題はゾンビのほうだからだ。
本書も学術書ではないのだが、ホラー映画などを通じて一般に流布している「ヴードゥー教」のイメージというものが、切り取られた一面だけを誇張する歪んだ虚像にすぎないということは充分に理解できる。信者が集まり、ロアと呼ばれる様々な精霊を祭りの場に招き、ドラムに合わせて激しく舞い踊る様は、けっして暗くもおぞましくもない。「ヴードゥーに興味のある外国人」という立場を崩さずに、むやみに賞賛するのでもなく、庶民臭さをあざ笑うのでもなく信仰生活の実態を伝える書き方に好感をもった。
V:tR用資料としては、カトリック教会との確執や迫害の歴史にあまり触れられていない点が物足りないのだが、入門書として良いかも。
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