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| 幼童にもできる社会戦(4/7) |
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本文中、*(アスタリスク)を付した語は、公式日本語版に適切な訳語が見つからなかったために、訳者が便宜的に当てた非公式の訳語です。
物と人を使いこなす使えるものは何でも使え長い章になってしまうが、なにぶんヴァンパイアが利用できる手段は多種多様なので、我慢しておつきあいねがいたい。 たしかに陰謀渦巻く血族社会においては、他人に頼らず、隙を見せないようにしていかねばならないし、それでも落ちこぼれないだけで精一杯だろう。だが世の中には、セッション中にもセッションの合間にも使えて、ライバルに一歩差を付けられる手段というものもある――要は使い方の問題だ。 自分でやれることは自分でやるあなたが立てたキャラクターの行動計画が明確で堅実なものなら、すぐにでも血族社会での足場固めにかかり、目標に向かって動きだせるだろう。とはいえ初めはまず間違いなく他のヴァンパイアの力を借りる必要が出てくる。頼みごとをするなら、どうしても必要な場合だけにして、借りを作りすぎないように。 その一方で、他人に頼る部分をなるべく減らす努力をする。つまり、目標に達するためにいつも必要になる手段や影響力を見きわめ、できるだけ早く手に入れるのだ。例えばトレアドールが夜遊びの達人になりたければ、ナイトクラブの評判を簡単に上げたり下げたりできる、社交界への〈影響力〉やマスコミに顔が利く友人がどうしても欲しくなってくる。ヴェントルーが大出世しようと思ったら、経済界へのコネや大口の銀行預金は欠かせない。あなたのキャラクターに何が必要かわかったら、シナリオの合間の時間を使って(もちろん〈経験点〉も費やして)それを手に入れる。コネを1つ増やすごとに、別の血族に口利きを頼まねばならないコネを1つ減らせるのだ。 ヴァンパイアにただ働きをさせるな当然至極の事実だが、ヴァンパイアにとって最も有用な道具は他のヴァンパイアだ。たしかにヴァンパイアが同族に手を貸すことはあるが、理由はたいてい、そうすることが自分の利益になるからだ。ヴァンパイアの人間性や誠意に訴えて無償で協力してもらおうとすれば、肝心の時に頼りにならなかったり――最悪、裏切られたりするかもしれない。 目標達成のために他のヴァンパイアの協力を仰ごうと思ったら、まず次のように自問してみる。そのヴァンパイアにとって、協力したらどんな得があるか? あなたのキャラクターは相手が欲しがるような見返りを差し出せるか? もし無理なら、そのヴァンパイアからの協力は期待しないほうがいい。 恩貸制:恩義は売っても売られるなこれは前述の「ただ働きをさせるな」に含めてもいいようなルールだ。恩貸制というのはややこしいもので、これだけで独立した小論文が1つ書けてしまう。それに、たしかホワイト・ウルフ社は恩貸制の使い方についてかなり詳細な記事を発表していたはずだ(→注3)。とりあえず、ここでは私なりの心構えを紹介しておく。 自分のキャラクターより地位の高い血族に協力を求められたら快く引き受け、恩義を返してもらうのはできるだけ後にする。特に「大きな恩恵」や「命をかけた恩恵」(→注4)は、クレジットカードの高利貸し付けのようなものだ――借りれば利子を払うのに精一杯で、負債自体はいつまでたっても減らない。うまくやれば、相手に恩義を負わせたまま、さまざまな要求をのませつづけることも可能だ。 自分より地位の低い血族に援助を与えるのはよく考えてからにする。相手は借りを作ることを潔しとしないだろうし、それが血族社会の底辺にいるような連中なら、お返しにできることといっても多分たかが知れている。とはいえ、もし援助を求めているのが地位は低くても今後急速に出世する見込みが高い者なら、長期投資のつもりで恩義を売っておく。 カマリリャ・ヴァンパイアの口約束は証文も同然で、恩義を踏み倒すことは血族にとって最大級の背信行為だ――とよく言うが、たいていのプレイヤーは借りを返さないままはぐらかすことなどなんとも思わない。それを他の者が責めなかったとしても別に不思議ではない。ほら、情けは人のためならず、と言うし…… また、他のヴァンパイアもあなたと同じく「恩義は売っても売られるな」と考えていることを忘れてはいけない。どうにか援助をとりつけたはいいが、その後延々と恩義に縛られるはめになったというのもよくある話だ。しがらみを清算するために血族ならではの別手段――宮廷雀――も利用する覚悟をしておこう。 汝の敵を知れグールでも、〈影響力〉でも、ノスフェラトゥでも、とにかく持てるかぎりの手段を使って敵を調べあげよう。情報を揃えれば敵の手口や目的を推測できる。敵がトレアドールで快楽主義者という噂があるなら、快楽主義者が好みそうなナイトクラブを探せば、敵のごひいきの店や〈餌〉が見つかるだろう。とあるベンチャー企業支援基金を私物化しているヴェントルーが敵なら、そのお仲間やコネを調べるには有名どころのベンチャー企業ネットワークの会合を回ればいい――ついでに最近あなたの縄張りに基金の援助を受けた新興ベンチャー企業が進出していないか気をつけることだ…… 敵の関心や目的がわかっていれば、のちのち敵の協力者を買収する必要が生じたときにも、どういう手段が使えるか推測しやすい。 敵の敵を利用しろ敵の敵が味方とはかぎらないが、武器として使えるのはたしかだ。けしかけてやれば代わりに手を汚してくれる奴がいるのに、わざわざ自分で首を突っ込む理由がどこにある? もちろん、この方法にも危険はある。けしかけた奴があなたを裏切りたい誘惑にかられないように――裏切りはたいてい、あなたが示した利益を捨てても欲しいと思うような利益につられることで起きる――敵の敵を計画に引きこむ前には、念には念を入れてそういう要素を調べあげておくこと。 グール――重宝な手足か、獅子身中の虫かグールは役に立つ。昼間のボディガードにもできるし、主人が把握しきれない地域の情報収集にあたらせてもいい。だが本質的に人間であることが時には不利にはたらく。おすすめは、グールを飼うなら他の血族に内緒でやることだ。誰をグールにしているか、なるべく知られないように――グールだとわからなければ、グールとしての弱点を利用される恐れもない。 一方で、敵のグールをおおいに利用して主人を裏切らせよう。主人とすり替わってあなたの血を飲ませる――こうすればわずかながら主人への血の契りを断ち切れる可能性がある――ただし、あなたと会った記憶を消しておくのを忘れずに! 敵のグールを捕らえて情報を搾り取ろう。グールはしばしば、昼間に寝処の警備をしたり、主人の活動について多くの内部情報を知っていたりする――貴重な情報源だ。用済みになったグールは――記憶を消せないなら――殺すこと。死体は一片たりとも残してはいけない。 グールの最高の使い道は、そのままスパイにすることだ――定期的に報告させ、その後で記憶を消す。さらに洗練された手法として「偽グール」にするというのがある。いかにも敵がグールにしたがりそうな人間を、あらかじめ血の契りで自分に呪縛しておく。うまくいけば敵はその人間が自分のグールになったと思いこんで、安心して秘密を漏らしてくれるだろう。 原則として、他人のグールを逆用するのは、あなたのキャラクターが《支配》に長けている場合に限ること。一歩間違えれば、グールは逃げだして主人に泣きつき、結果としてあなたのキャラクターの余命を急速に縮めることになるだろう。
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